生薬名 |
蝉退(せんたい) |
基 原 |
名医別録に収載。セミ科 Cicodidae
スジアカクマゼミ Cryptotympana atrata Fabr.
の蛹の脱皮した殻(ぬけがら)。 |
性 味 |
味は鹹・甘、性は寒。(帰経:肺・肝経) |
主成分 |
chitin (窒素7.86%・灰分14.57%を含む) |
薬理作用 |
疏散風熱・利咽喉・退目翳・定驚カン
解熱作用、鎮静・鎮痙作用 |
臨床応用 |
一般に小児科領域で用いることが多く、内科・眼科でも用いる。
- 肺熱による嗄声(急性咽喉炎・急性気管支炎)に、単純な外感風熱による嗄声に用いる。
外感風熱による発熱・軽度の悪寒・咳嗽に、蝉退の疏散風熱の効能を利用する。また、皮膚掻痒に対し、去風止痒の効能を利用する。
- 小児の感冒による発熱・煩躁・睡眠時不安に用いる。
- 小児の夜泣きに用いる。
- 眼科では、主に角膜混濁(炎症性・外傷性の角膜損傷によって生じた雲状・斑状の混濁や斑点)に用いる。
- 破傷風などの痙攣発作の鎮静に用いる。単独では効果が弱いので、他の鎮痙薬を配合する。
- 最近、慢性腎炎のタンパク尿に対し試験的に用い、初歩的観察では一定の効果がみられた。
- 麻疹で透発が不十分なときに用いる。蝉退は透発と清熱の効能がある。
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用量 |
常用量3〜15g。慢性腎炎・破傷風には15〜30gを用いる必要がある。 |
生薬画像 |
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