■民間薬解説
 

ハコベ
ナデシコ科
( コハコベ、ハコベラ、アサシラゲ )

Stellariae Herba


 

ハコベ

春の七草のひとつのハコベは、ナデシコ科に属する多年生草本です。
古くはハコベラの名で呼ばれ、後に転訛してハコベとなりました。
草丈は10〜20cmで、根はひげ状で茎の下部は横に伏し、上部は斜めに立ちあがっています。花期は3〜9月と長く、枝の先に白色で先が割れた5枚の花弁を星形につけます。
属名のステラリアは、星を意味するラテン語です。
世界には約120種のハコベ属植物がありますが、いずれも畑や道端の雑草です。
茎葉は軟らかく、乾燥した土地でもよく生育するので、救荒野菜として利用されていました。
中国では繁縷(ハンロウ)と呼ばれ、利尿、淨血、催乳の効能があるとされ、婦人の妙薬と言われたこともありましたが、現在では漢方処方に配合されるのは稀です。
日本独自の民間療法として「はこべ塩」がよく知られています。歯茎が腫れて痛むときに、はこべ塩で磨くと効果があるといわれて、江戸時代までは広く使われていました。

 


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