■民間薬解説
 

カギカズラ
Uncariae Uncis Cum Ramlus


 

(アカネ科)

カギカズラは常緑のつる性木本で、若い茎は四角です。
本州の房総半島以南の山林や浜辺の林に自生します。
6〜7月頃、葉腋の真上に花柄を出し、その先端に黄緑色の小花が集まった直径2cmほどの球状の花序をつけます。
葉腋には小枝が変化して出来た釣り針状に湾曲した鉤があり、他の植物にからみついて伸びます。属名は釣を意味するラテン語uncusに由来します。
漢方では、夏から秋にかけて釣を採取して日干しにしたものを釣藤鉤(ちょうとうこう)と呼び、高血圧患者の頭痛、眩暈や、子供のひきつけ、疳の虫に用います。有効成分はリンコフィリンというアルカロイドで、血管を拡張し高血圧を改善することが明らかになっています。
釣藤鉤を含む漢方処方「釣藤散」に、脳血管性痴呆患者の精神症状の改善効果が2重盲験試験で確認されたことは、最近の大北話題となりました。
リンコフィリンは葉にも含まれていますが、釣と同じ効果を得るためには3倍量を使う必要があります。 煎じる時間は20分程度が好ましく、それより長いと有効成分の一部が分解します。
なお、中国産の釣藤鉤はカギカズラと、トウカギカズラの両方が用いられています。

 


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