■民間薬解説
 

ナンバンギセル
ハマウツボ科
( 南蛮煙管、思草 )


 中周では野菰(ヤコ)と呼ばれるナンバン ギセルは、ハマウツポ科に属し、葉緑素をもたない一年生の寄生植物です。
 アジア東部、南部の熱帯から温帯に広く分布し、わか国にも北海道から沖縄まで、 全土の草地などに自生します。
 ミョウガやカンナの根に寄年することもありますが、ススキなどのイネ科植物への寄生 が多く、熱帯ではサトウキビ栽培に大きな被害をもたらすこともあります。 ナンバンギセル  茎は短くほとんど地上に出ません。
秋、葉のわきから長い花柄を立て、その頂端に淡い紫色の花を横向きに開きます。
 花が首を垂れて物思いにふけっている様な姿をしていることから、万葉集の中には 「思ひ草」の名ででてくる植物です。
 ナンバンギセルの名称は、桃山時代に「南蛮人」のタバコと共に入ってきた煙管 (キセル)によく似ていることから名付けられ、広まったようです。
生薬としての流通はありませんが、民間では全草を煎じて、強壮、鎮痛、消炎などに用い ることがあります。

 


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