■民間薬解説
 

オオバナオケラ
Atractylodis Rahizoma


 

オバナオケラは中国中部原産で、山地の斜面・低木林の林内などに生える
多年草です。
草丈は30〜80cmで、日本に自生するオケラに比べて頭花が大きく、花は淡紅色です。
オケラ属植物は東アジアに分布し、その根茎はいずれも生薬になります。
オオバナオケラとオケラの根茎に由来するものがビャクジュツ(白朮)で、各々唐白朮、和白朮と呼ばれ、何れも特異な香気が強く苦味があります。
精油の主成分アトラクチロンは、ホソバオケラの根茎を起源とする蒼朮には含まれないので、ビャクジュツの確認に用いられます。
オバナオケラは、日本には本来分布しない種です。一方、オケラはお屠蘇や虫よけとして日本腎に馴染み深い植物ですが、これを起源とする和白朮は埼玉・鹿児島などでわずかにに生産されるのみで、大部分は韓国からの輸入品です。
白朮には利尿や発汗を促す作用があり、漢方では水毒を除く要薬とされています。
胃下垂・胃アトニー・胃腸炎・関節リウマチなどを治療するための処方に高頻度で配合されています。
粉末は、芳香性健胃薬として配合剤に用います。

 


Home