ヒロハセネガは、北米原産の多年草です。
セネガの名は、ガラガラ蛇にかまれたときの解毒薬に用いていた、
アメリカインディアンのセネカ族に由来します。
高さは20から30cmとなり、葉は互生しています。
6月頃に茎頂に緑白色の小さな花穂を付け、順次白あるいは緑白色の小さな花を開きます。
根は多数の細根にわかれ、淡黄色をしています。
薬用部分は根で、細根がついたままの根を水洗いして、日干しにしたものを生薬とします。
セネガのみを基原植物としている各国薬局方と異なり、
日本薬局方ではセネガに較べ葉の幅が広くて長いヒロハセネガも、
基原植物として規定しています。
これはわが国でヒロガセネガの栽培に成功し、
北海道や兵庫県などで、良質の生薬が生産されていることによります。
生薬の特異な臭いはサリチル酸メチルによるものであり、
味は初め甘く、後にえぐみが出ます。
主成分はセネギンIなどのトリテルペンサポニンです。
これらのサポニンはその粘膜刺激作用により気道分泌を促進し、
強い去痰作用を示します。
去痰薬として配合剤の原料とされるほか、セネガシロップの原料でもあります。
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