アジア東北部に分布する多年草で、
日本各地の山野に自生します。
”ただ一本の茎が風にも揺るがず、まっすぐに伸びている”ので、
独活と名付けられたといわれています。
茎は直立し、まばらに分枝します。
葉は互生し、2回羽状複葉、花は淡紅色で、
晩夏に多数の散形花序をつけ、上部に両性花、下部に雄花をつけます。
果実は汁液に富む多肉質の漿果で黒く熟します。
乾燥した塊状の根茎を「独活」、個根を「和羌活(わきょうかつ)」と呼びます。
いずれも発汗、解熱、鎮痛、抗炎症、駆風、利尿などの作用があり、
漢方では前者が「千金三黄湯」や「独活葛根湯」に、また後者は「疏経活血湯」や
「清湿化痰湯」などに配合されています。
また民間療法として、煎液を浴槽に入れると血行が良くなり温まるため、
神経痛や冷え症に使われています。
成分としては精油のリモネン、サビネンのほか、ジテルペン酸類などが知られています。
「独活」や「羌活」は全く別の植物が同じような効能を持ち、
同名または類似名の生薬として扱われている一例です。
例えば、植物の概観が本種に似ているセリ科のシシウド(Angelica pubescens Maxim.)の老根
を「(糖)独活」と称します。
本種と全く同様に利用される。
図体だけが大きくて中身が伴わない物を「ウドの大木」い言います。
茎が高さ2m以上にもなるのに中空で弱く、これとしった使い道がないと思われたらしい。
しかし、ウドの新芽や茎は古くから春を代表する香り高い野菜で、
若い茎は日おおいされ柔らかく育てられ食用にされます。
今から薬250年前頃から栽培が始められています。
現在では、促成・抑制栽培の軟白化技術もすすみ、ほとんど年中食卓をにぎわすようになりましたが、
和名が埋(ウズ)から転じ、土の中の芽を食べることに由来することは、案外知られていません。
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