腎の生理機能 |
○腎は精を蔵し発育と生殖を主る
腎には精気を蔵する作用があります。精気とは人体を構成する基本物質で人体が先天的に持っている成長・発育のための生命エネルギーなどを指します。人体の成長や生殖能力・老衰の状態は精気の増減に関係します。 ○腎は水を主る。 腎は有益な水分を吸収し、全身の各臓器に散布し、不要な水分を膀胱へ送り尿として排泄させる働きがあります。 ○腎は納気を主る。 呼吸機能は肺が主体となって行いますが、肺の吸入した清気を下降させ自らに納める働きを腎が持っています。 咳や喘息の治療では肺を中心に考えますが、息を吐くより吸う方がつらい場合は腎の納気作用が落ちていることが予想され、腎の納気を補う治療も行います。 ○腎は骨を主り、髄を生じ、脳へ通じ、その華は髪にある。 腎は成長のひとつである骨や骨髄・脳の発達をコントロールし、腎の盛衰は髪の毛にあらわれます。 腎が充実している方の髪は豊富で黒々として艶とコシがあり、腎が弱っている方は髪が薄い、細い、白髪、茶色、艶がない、すぐ抜ける、などの症状がよくみられます。 ○腎は耳に開きゅうし、二陰(前陰と後陰)を司る。 腎の衰えは耳にもあらわれ、前陰(生殖機能、排尿機能)や後陰(排便機能)にもあらわれます。 年齢不相応の精力減退、インポテンツや耳が遠い、耳鳴り、排尿困難、頻尿、尿の切れが悪い、失禁、便秘などは腎の衰えから来る場合が多いのです。
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