前略で 始まるメール 父のもの
これはM新聞川柳欄「万能川柳」に初めて載った私の川柳でである。
M新聞に川柳の年間表彰が出ていて、2000年の大賞は
妹はたんぽぽ 兄は荷物持ち
1999年の大賞は
孫うたう 祖母うたいだす 母うたう
であった。両句とも何という優しい気持ちの表現であろう。
こんな川柳が作れれば良いのにと思い、自己流で川柳らしきものを作って、投稿したのである。
6月末に川柳欄を見ると、冒頭の川柳が新聞に載ったのである。 初入選。その後、真っ先に新聞の川柳欄を見る毎日となった。入選句以降に投句したものが残っており、私の気持ちでは入選句よりも面白いものが何句もあると思っていたからである。
初入選で気をよくし、川柳に励もうと思っていたのに、自信をなくしてしまった。どのような川柳が良いのか自分で判らなくなって、川柳が作れないのである。
次のは私のこと詠んだ落選句で、あと一ひねり必要なのであろう。
白髪を 茶髪に染めて 定年後
生え際に あった黒子が 離れ島
下の毛は 眉毛と同じ 黒いのよ
俳句や和歌、詩のような作品を作るのは、小学校の時から苦手であった。宿題などで作った俳句や詩を、先生に採り上げられたり、誉められたりした記憶がない。
「古池に蛙が飛び込んで音がした。何が面白い」などと生意気なことを言いながら、俳句や和歌の才能は無いものと今もあきらめている。
ところが、川柳はユーモアとか人情、反権威などが題材になっていて、読んで楽しく、そのうち作ってみたいと思っていた。
投句はハガキに5句書き、住所氏名年齢職業を書いて投函すればよい。初めて投句したのが4月で、4月の内に5回、5月に入って2回投稿したが、全く載らないので熱も冷めてきて、川柳欄を見るのも後回しになっていた。
しかしながらその後の入選はなかった。