第100回「浜風にのって」(2003年6月21日)

日本陸上選手権

横浜総合競技場で日本陸上選手権を観戦した。
競技は3日間行われ、観戦したのはその2日目で、第4コーナーを出た辺りの席に座った。

目の前で男子三段跳びが始まっていた。
選手が補助の走路で盛んにウオーミングアップをしていて、腰の位置が高く、ひざの伸びたフォームが見事であった。

 選手はスタート位置に立つと、観客に手拍子を求めたり、前後の体を揺すったりして集中力を高め、いっきに助走路をかけぬけてホップ、ステップ、ジャンプで砂地に着地する。

この日は杉林選手が16b96aを跳び、日本記録更新はならなかったが、見事なジャンプであった。

 圧巻は末続選手の出場した男子200bであった。
第4コーナーを出た所で末続選手が一歩リードしており、そのままリードを広げてゴールインした。

観衆からウオーといったどよめきが起き、続いて大きな拍手が起きた。
末続選手が200メートルで20秒03の日本新記録、アジア新記録、今年度世界最高記録を樹立した瞬間であった。

 私は全力で走る時、歯を食いしばって厳しい表情で走るのかと思っていたが、これは逆のようで、硬い表情では力みが入って走れないのだそうだ。
末続選手は余裕があるかと見える柔らかい表情で、走りは流れるようにスムースであった。

 この日は女子100bや男子の400b障害、走り幅跳びなど、あわせて13種目の決勝が行われた。
どの選手も真剣に競技に取り組んでおり、その姿をみると、思わず背中を押したい気持ちになった。

 女子選手はだれも化粧気がなく、競技中は全く男子選手と変わらず堂々としている。
170aはあるかと思う女子選手の脚はスラリと伸び、別種の人間のようで、つい溜め息が出た。

 女子選手が競技する時の着衣は上下セパレーツの2ピースが多くなり、へそが丸見えである。その腹には腹筋が浮き出ており、バストはどの選手も平らであった。

化粧気もなく、髪も整えていない選手に女性の色気と言ったものは感じられないが、それでもその肢体はとてもきれいで魅力的であった。

(写真は200メートル走の100メートル付近。先頭が末続選手)

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