今年の夏は7月が格別に暑く、その上雨も少なかったので樹木にとっても厳しかった。
あちこちの庭で植木の葉が茶色くなったり、ひどいものは枯死しているのも見られる。その多くがシャラとヒメシャラである。
シャラは6月から7月にかけて、ツバキに似た白い花を咲かせることからナツツバキとも呼ばれ、わが家の庭にも株立ちがある。
7月中旬、この木がしおれているのに気がついた。
急いで根元にも葉にも散水し、枯れることはなかったが、葉の周囲が茶色くなってしまった。
わが家の周辺は東急建設が売り出した戸建て住宅の新興住宅地で、どの家にも小さな庭があり、生け垣で囲まれている。
庭木はシャラ、ヒメシャラ、ハナミズキ、ヤマボウシなどの落葉樹で、伝統的な松や槇、モチノキ、モッコクのような常緑樹はほとんど見られない。
常緑樹はシラカシとコニファーと呼ばれる移入もののヒバ類ぐらいである。
常緑樹だと冬場太陽をさえぎって、狭い庭がさらに狭い感じになるので、落葉樹が好まれるようだ。
これらの庭木は若くても緑の見栄えがするよう多くは4、5本の株立ちで植えらている。
ところが、シャラやヒメシャラはもともと山地の木なので、今年のような記録的な暑さでは庭植えするのに無理があるのかも知れない。
生け垣はシラカシやベニカナメモチが多く、芽吹きの頃、ベニカナメのあかね色にほれぼれするほどである。
キンモクセイの生け垣もあって、その花時に散歩しているとあちこちから芳香が漂ってくる。
住人はそれぞれ家の廻りに、競うように花を植えている。
4、5月頃は道路に面した玄関や縁石廻りに地植えやプランターのパンジー、ビオラが咲き誇り、続いてペチュニアや日々草の赤や白などの花で賑わい、冬場を除いて花の絶えることがない。
わが家でも夏の名残のサフィニアと日々草、トレニアが咲き続け、千日紅とマリーゴールドが盛りである。
家と道路をはさんで北側が小さな公園になっていて、この縁石沿いにコスモスを植えた。
順調に成長しており、10月にはピンクや白の花が咲くものと楽しみにしている。