第13回「浜風にのって」(2001年10月13日)

料理コンクール

料理コンクールの審査員募集に応募し、初めて料理の試食と採点を行った。

このコンクールはプリンスホテルが傘下のホテルの調理師を対象に行うもので、今年で13回目になるという。

 

最初に料理長から次のような挨拶があった。

「今回のコンクールは体に優しいをコンセプトに、バターやクリームを減らし、野菜を多くしたヘルシーな料理を試作してもらった。ここでの優秀な作品を全国のプリンスホテルで提供し、販売増加につなげたい」

 

料理は洋食(魚)、洋食(肉)、パン、菓子、和食、中華の6部門があって、私は和食と中華を審査した。

テーブルに和食、中華とも12種類の料理が並んでいて、それぞれに試食用の一口料理が添えてあった。

和食1300円、中華2人分3000円と売価が決められており、その材料費も売価の33%以内と制限されている。

 

料理は野菜やキノコとエビやカニ、白身魚などを組み合わせて、煮物、揚げ物、炒め物などあらゆる調理法が用いられ、一皿にきれいに盛りつけられていた。

 

審査員は立食でそれぞれの試食用料理を食べ、皿の料理を眺めて採点する。

私は和食からスタートし、一口の料理をゆっくり味わって食べてみたが、どれも良い味で評点が難しい。

どの料理も万人向きの味付けで、中華でも香辛料はあまりきつくなかった。

 

24品も試食すると味が混乱して、どれが美味しいのかはっきりしなくなったが、最初の印象で、和食3品と中華4品に10点をつけ、残りを9点として採点表を提出した。

 

この料理コンクールの審査員に選ばれた時は、美味しい料理が出るだろうと期待していた。

ところが材料費が制限されていて、豪華料理が出るはずもなく、頭に描いていた料理とは違ったものであった。

 

といっても決して不味いというのではないが、試食となると美味しく食べた感じがしなかった。

一口食べて次の皿に移り、一口食べてさらに次の皿に移り、一口ずつ別の料理を食べていたのでは美味しいものも美味しく感じなくなるようだ。

 

美味しい料理は会話を楽しみながら、ゆっくりした雰囲気で食べて初めて美味しく頂けるもののようである。

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