ナイアガラの滝からオンタリオ湖を経てセントローレンス川沿いを下り、ケベック市までの全長800`はメープル街道と呼ばれ、観光のゴールデンルートになっている。
我々の旅はこのうち北3分の1のモントリオールからケベック市までと、さらにケベック市の北120`のシャルルボアまでをバスで北上し、シャルルボアではセントローレンス川のホエールウオッチングも楽しんだ。 再びモントリオール近くまでメープル街道を南下し、最後にローレンシャン高原を散策した。
モントリオール周辺は紅葉には早いようであったが、2日目にケベック市に近づくにつれて木々が色づいてきて、黄色とオレンジに染まった街路樹が見事であった。
ケベック市は北米一のロマンチックな街と言われ、その城壁に囲まれた地域は世界遺産に登録されている。
その市を象徴するのが中心部の高台に建つ古城のようなフロンテナックホテルで、紅葉した樹木を前景にそびえるその姿は神々しいほどの感じであった。
カラフルな可愛い家があちこちに残り、これをメープルの赤が取り囲むメルヘンチックなオレルアン島の紅葉。
シャルルボア街道の湖水を前景にした紅葉。
ローレンシャン高原へ向かう道沿いに延々と続く紅葉樹林。
どれも歓声を抑えきれないほどきれいであった。
更にすごいと思ったのは、ローレンシャン高原で遊覧ボートから眺めた紅葉とゴンドラからの紅葉であった。
岸辺のカエデが透明感のある薄い黄色から山吹色、柿色、朱色と微妙なグラデーションで染まり、この風景が見渡す限り続いていた。
ゴンドラで山を登って行くとゴンドラの左右が紅葉で埋まり、山の頂上は今年初めてという雪になっていた。
この急速な気温低下が、いっそう鮮やかな紅葉をもたらしたのかも知れない。
紅葉の色合いは黄色から朱色まで、透明感のある全く濁りのない色合いで、とても絵の具では出せそうにない。
木の種類はほとんどがカエデ類で、なかでもカナダ国旗にデザインされているサトウカエデが代表格のようである。
数年前、北海道の紅葉を見て感動したが、カナダの紅葉はそのスケールも色の鮮やかさも最高であった。(続)