第16回「浜風にのって」(2001年11月10日)

紅葉のカナダ(4)食事

 最近のツアーでは経費を切りつめていて、食事に期待することは無理になってきた。
 今回のツアーの食事は朝がホテルのバイキング、昼と夜はレストランのようなところでの簡単な食事が多かった。

 朝食のバイキングは自分の好みに合わせて食べればよいので、私は好きなのであるが、料理の品数は少なかった。  日本のビジネスホテルの朝食バイキングの方が品数が多く、豪華なように思う。

 朝食だけでなく、カナダの食事は新鮮な野菜や果物類が少なく、多いのがじゃがいも、にんじん、豆類にソーセージやベーコンである。
 美味しいと思ったのはパンと牛乳で、かりかりのフランスパンは噛むほどに良い味がした。

   昼食と夕食はパンにスープ、肉か魚にじゃがいもなどをあしらった皿、コーヒーか紅茶に甘いデザートというのが定例であった。
 飲み物は別勘定で、コップ一杯のビールかワインをたのむと400円から500円ぐらい。

 スープがたっぷりあって肉や魚の料理も付け合わせがあるので、女性には多すぎるくらいで、最後に甘くてバターたっぷりのケーキがくるとカロリーオーバーになりそうだ。

 メインディッシュの肉や魚料理は、味付けが物足りなく、不味くはないが美味しいほどではなかった。それでも私は全旅程中、食事を残すことなく全部平らげた。

 モントリオールで街を歩いていたら、日本の八百屋のような店があったのでのぞいてみた。
 日本のスーパーの生鮮品売場と比べると品揃え、品質、ディスプレーのどれをとっても雲泥の違いである。

   カナダは葉野菜が少なく、大根や人参はあるが泥付きの不揃いである。  果物はリンゴぐらいで、これが日本のりんごよりずっと小さい。

 日本のスーパーの食料品は、品揃えや新鮮さ、品質の良さなどどれをとっても世界一ではなかろうか。  日本の料理もバラエティに富んでおり、美味しいと思う。

 カナダはケベックあたりで冬はマイナス25度にはなるそうで、冬季の食べ物は貯蔵品か遠くからの輸入品しかない。
 カナダの普段の食事は単調で品数の少ないものにならざるを得ないであろう。(続)

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