第206回(2005年7月23日)

ポーチュラカ



  わが家の北側には道路を挟んで小さな公園がある。
  その公園の道路縁石周りに、赤とピンク、黄色の花がきれいに咲いた。相棒が植えたポーチュラカである。

  4月に苗を植えた当時は散歩の犬に掘り返されたりして元気がなく、花が咲くまで大きくなるだろうかと心配するほどであった。
  その後、暑くなってから生長し、茎を摘んで挿したものも根付いて、7月に入って一斉に咲きはじめた。
  径2〜3a、5弁の一重花が一斉に上向きに咲いて、道路際を晴れやかに彩っている(写真)。

  ポーチュラカは和名をハナスベリヒユといって、マツバボタンと同じ仲間である。
  ポーチュラカもマツバボタンも似たような花をつけ、多肉質の葉で、夏場の乾燥に強い。
  違いはポーチュラカの葉がへん平で、マツバボタンの葉が棒状であることである。

  ポーチュラカの葉を見ると、今頃畑で四方に広がって伸びるへん平な葉の雑草によく似ていていると気づく人がいると思う。
  この雑草がスベリヒユで、スベリヒユも数ミリの小さな花をつけるが、小さな花なので、花に気を止める人はいない。
  スベリヒユの種類の中で、大きな花をつけるのがハナスベリヒユと呼ばれ、ポーチュラカである。

  もう20数年前のことになるが、夏の公園で、大きな植木鉢に赤い花がたくさん咲いていた。
  てっきりマツバボタンだと思ったら、よく見ると葉がへん平でマツバボタンとは違っていた。
  これがポーチュラカを見た最初で、ずいぶん花付きがよいものだと感心したことを覚えている。

  それから数年して、花のカタログに「巨大輪ハナスベリヒユ」と出ているのをみて苗を購入し、庭に露地植えしたことがある。
  赤、黄色、ピンクの花が一面に咲いて、当時はまだ珍しかった。
  この時、ハナスベリヒユはポーチュラカとは別品種かと思っていたが、呼び名が違うだけで同じものであり、現在は花のカタログでもポーチュラカに統一されている。

  近所を散歩すると、夏の花が盛りである。
  春のパンジーやビオラに代わって、朝顔のような花弁のペチュニアが多いがそれに次いでこの数年ポーチュラカが多くなってきた。
  ポーチュラカは暑くなっても元気に咲き続け、花言葉は「いつも元気」。