今年も終わりである。
新しい世紀になって、今年は明るい世の中になるのではと期待する気持ちもあったが、この期待は裏切られた。
アメリカのテロ事件と報復戦、国内では不況と高い失業率、数々の殺人事件など深刻なものばかり思い浮かんでくる。
イチロー選手の活躍と新宮様誕生だけが明るい話題であった。
ニューヨークの貿易センタービルに航空機が突っ込んだシーンは今も目に焼き付いており、今後も一生消えないであろう。
この事件は世界史年表で21世紀の始めに記される歴史的なものになるに違いない。
20世紀が国と国との戦いの歴史であったのに対し、21世紀は宗教や民族間の争い、先進国と後進国の不協和音が激しくなり、テロ事件はそのさきがけでなければ良いがと思う。
小泉内閣の誕生も今年の出来事であった。小泉首相は「聖域なき改革」を掲げてスタートし、前の内閣には見られなかった新しい施策を進めている。
まだその成果が現れて、明るい日本が見えて来るにはいたらず、バブル期からの負の遺産から抜け出すにはやはり時間が必要であろう。
どうあろうとも現状は、小泉内閣に日本の明るい未来を期待するしかないのである。
私自身は退職して5年が過ぎ、すっかり自由生活を楽しんだ1年であった。
健康に恵まれ、スポーツクラブへ200日も通って、200`以上泳いだことになる。
人物画講座に月2回、料理教室に月1回通い、油絵も再開した。
時折、展覧会やコンサートに出掛け、初めて暮れの第九コンサートも聴いた。
今年から家庭菜園を始め、じゃがいもや大根など食べきれないほどの収穫があった。
テロ直後にカナダに旅行し、無謀だという人もいたが、見事な紅葉を楽しんだ。
しかしながら、私の今年一番の出来事は、八幡浜新聞にエッセーを連載したことである。7月から掲載が始まって、今回で24編ものエッセーを読んでいただくことになった。
このエッセーを届けることが生活の張りとなり、リズムとなって、充実した年を過ごせたように思う。
気になるのはエッセーが読者にどれだけ楽しんでもらえたかである。
良い年をお迎え下さい。来年もよろしく。"