第26回「浜風にのって」(2002年1月12日)

七福神

今年も隅田川沿いの七福神巡りをした。
七福神巡りとは福禄寿、恵比寿、弁財天、布袋尊、大黒天、毘沙門天、寿老人の七福神を祀った7つの寺社を回るもので、一昨年は柴又の七福神、昨年は谷中の七福神を回り、今年が3三年目である。

七福神を特別信心しているのではなく、七福神について良く知っていたわけでもない。フイルムのCMに出ていたのが七福神のパロディーで、女神が弁天様だということぐらいしか知らなかった。
広告を見て、東京散歩も良かろうと柴又七福神巡りに出掛けたのが最初だった。

どこも七福神の祀られている寺社の案内パンフレットが出ており、道路には道順を示す看板も立っていて、だいたい数キロを2時間から3時間ぐらいで回るようになっている。
元旦から7日まではご神体がご開帳されていて、各寺社で御朱印を受けることが出来る。

今年は5日の土曜日に回ったこともあって、かなりの賑わいであった。
七福神巡りのパンフレットを持った人達がぞろぞろと歩いていて、私たちぐらいの夫婦連れが多いが、若いカップルや子供連れもかなり見られた。「招福開運七福神巡り」と銘打ったバスツアーも何組か来ていた。

寺社の方も朱印所の他、縁起物の物品を売っていて、かなりの繁盛であった。私たちも色紙を買って、これに各寺社の御神号と御朱印を貰い、これが一カ所500円であった。この不景気な世の中にあって、神様は懐が相当暖かそうだとつい邪推したことである。

今年歩いた隅田川沿いの案内書には「江戸の文化を偲ぶ」とあり、寺社はどこも大きくはないが由緒ある寺社のようで、古色をおびたたたずまいであった。

順路には所々に名物や古くからの小間物屋などもあって、これらを眺めるのも楽しい。
福禄寿が祀られている向島百花園は、200年ほど前の文化・文政期に作られた庭園だそうで、山野草や伝統的な花木が植えられ、野趣に富んだ庭園になっている。
私たちが行ったときは水仙が咲き、早咲きの梅がほころびかけていたが、まだまだ枯れ野の眺めであった。

七福神巡りは古い東京や江戸情緒を巡る楽しい散策である。

関連ホームページ 向島百花園
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