総合展示場「パシフィコ横浜」で骨とう市が開かれており、近くまで行ったついでに寄ってみた。
ガイドブックによると「第一回横浜骨董(こっとう)ワールド」、全国から350業者が出店とある。 広いフロアーに間口4、5bの店がぎっしりと並んでおり、かなりの人出であった。
一昔前まで、骨とうは金持ちの道楽で、庶民には縁遠い世界であったが、最近、庶民に骨とうが大ブレークだという。
テレビ番組「何でも鑑定団」の影響や、古い民具などを室内に飾るレトロなインテリアの流行もあって、誰もが骨とうに興味を持つようになった。
このような人達が、1万円でも5千円でも、自分の小遣いの範囲で古い皿や民具などを買うようになってきて、毎週のようにどこかで骨とう市が開かれている。
会場を回ってみると、金曜日の午後ということもあってか若い人は少なく、圧倒的に中高年の女性が多かった。この人達が骨とうブームでも主役のようである。
店先の皿や雑貨などを手にとって眺め、業者と熱心に話している人がおり、仲間で品定めをしているグループもいた。
売られているものは陶磁器・ガラス・時計・人形・民具・装身具など、和物から洋物まで何でもあるようであった。
骨とうと言えばこれまでは何十万、何百万と値段の付く美術品と思っていたが、ここにはそのような物はほとんど無さそうだった。目につくのは染め付けの小皿類、古い糸巻きや竹かごなどの民具類、玩具やポスターなど、これまでは骨とうとはとうてい呼べなかった物ばかりである。
江戸か明治の物か分からないけれど、薄汚れたような一五aほどの皿が千円とか三千円の値段が付いており、デパートの新しい物よりかなり高そうであった。
並べられている品物が中古品ばかりなのでどれも薄汚れた感じで、買いたいと足を止めさせるような物は見当たらなかった。
骨とう屋というと何となく怪しげなオヤジを想像し、だまされても当然というような気持ちがないでもなかった。
この会場の業者をみると、女性業者もかなりいて、骨とうを扱う人たちも変わってきている。
骨とうは好事家の世界から一般庶民の世界に移ってきたようだ。