第42回「浜風にのって」(2002年5月3日)

大道芸

初めて「野毛大道芸」を見物した。

パンフレットによると、このフェスティバルは1986年に野毛商店街で始まって、今年で26回目だという。

今も「野毛大道芸」と呼ばれているが、今年は野毛地区の他、伊勢佐木町、吉田町、ランドマークタワー周辺、赤レンガ倉庫、ワールドポーターズ、汽車道で開催され、「野毛大道芸」というより、「横浜大道芸」といった方がふさわしい。

 

桜木町駅から野毛の方に歩いてゆくと、商店街の道路が会場になっていて、あちこちに人の輪ができていた。

頭越しにのぞいてみると、似顔絵ショー、金粉ショー、ジャグリング、パントマイム、占いなど道路一杯に繰り広げられており、その周りを何重にも見物客が取り巻いていた。

 

赤と白の派手なストライプのTシャツを着た男の芸人が演技を始めたので、私はそこに立ち止まって見物した。

出し物は横にした円柱の上に板を渡し、その上に乗ってジャグリングなどをするバランス芸と洋風のコマ回しであった。

 

見物客とやりとりをしながら30分ぐらいのショーで、途中、失敗もしたりして大いに客を笑わせ、席を外す客はいなかった。

終わると、芸人が大きな箱を持って「私はこれで生活しているのでチップをお願いします」というと、見物客はこぞってお金を入れた。100円、500円硬貨に混じって千円札もかなり入っていた。

 

次にランドマークタワーの方に歩いてゆくと、ここでもあちこちで見物客が集まっていた。

階段の下がショーの場所となっていて、客は階段に腰掛けるようになっており、私もここで見物した。

 

1人目は外人男性のアクロバットと綱渡り、2人目は外人女性のエネルギッシュなパペットダンスであった。

2人とも30分ぐらいのショーの間、見物客を全く飽きさせなかった。ショーが終わると、見物客は喜んでチップを出した。

 

私は「野毛大道芸」を誤解していたようである。

祭りや縁日にみられる屋台やインチキくさい香具師(やし)がたくさん来るのかと思っていたら、これが大間違いであった。

 

野毛大道芸の芸人は見物客を引きつけて離さない芸を持っていた。

私はその熱心な演技とプロ根性に魅せられてしまった。

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