夏が近づくと、女性誌でダイエットの記事が多くなり、折り込み広告などでもダイエットに関するものが多くなる。
そこで何とかスリムになりたいとダイエットに挑戦する人も多いようだが、成功する人は少ない。
私は元化学技術者で、化学工場のエネルギー収支について永年取り組んできた。
このエネルギー収支は人間の体にも共通する点が多く、人間のエネルギー収支がダイエットと言っても過言ではない。
「スリムな体になりたい」と思う人のために、ダイエットについて書いてみたい。
私は定年で退職したとき体重65sぐらいであった。
たばこを止め、毎日ぶらぶらしていると、2か月ほどで68sになり、退職前のズボンがきつくなってしまった。
太って洋服が着られなくなると、大変なことになるので、5sほど体重を落としたいとダイエットに挑戦したのである。
簡単には体重が落ちなかったが、増加は止まり、半年ほどして63sになった。
現在もこの体重を維持しており、体脂肪が14sで、体脂肪率22%、ほぼ標準である。
私はダイエットを家計に例えるのが判りやすいと思っている。
人間が生きていくには、「体温」「運動」「心臓」「呼吸」などすべてエネルギーが消費され、このエネルギーは食物から摂取される。
家計に例えると、生活していくために衣食住、電気水道、医療等の生活費が毎月かかり、生活費はサラリーマンだと毎月の給料でまかなわれる。
給料が生活費より多いと「黒字」となって貯金が増え、給料が生活費より少ないと「赤字」となって貯金が引き出される。
ところが毎月の収入が多くて黒字が続くと、だれもがその一部を定期預金にして、不時の出費や老後の資金等に充てようとする。
人間に例えると、摂取エネルギーよりも消費エネルギーの方が少ない場合、余ったエネルギーは体脂肪として蓄えられる。
蓄えられた体脂肪はふだんの生活では消費されず、いわば定期預金のようなものである。太った人はこの定期預金をたくさん持っていて、この定期預金のような体脂肪を減らすのがダイエットである。
定期預金なら簡単に減らせる、とだれもが思うであろうが、これが簡単ではない。(続く)