摂取エネルギーが消費エネルギーより少ないとき体重が減ると述べたが、この減り方がどの程度かについて理解しておかねばならない。
ご飯茶わん一杯は約200iで、体脂肪の燃焼によってこの200iを補うと、約25cの体脂肪に相当する。
これを1か月続けても体重は0.75sしか減らない。
散歩1時間が大体200iで、毎日、1時間散歩し、ご飯1杯を減らして1か月過ごせば、1.5sほどやせると期待されるのであって、1か月に5sも10sもやせようとするには、ふつうの生活をしていては無理である。
1sの体脂肪を減らそうとすれば8000i消費しなければならず、これは成人女性だと20時間のジョギングに相当する。
私の感じでは摂取エネルギー1日400i減、運動で消費エネルギー1日400i増を1か月続けて、一か月に体脂肪すなわち体重減3sが普通に生活してゆく人の限界ではないかと思う。
ダイエットをする場合、気を付けなければならないのはエネルギー摂取量を減らしても、体に必要なタンパク質やビタミン、ミネラルなどは決して減らさない事である。
「こんにゃくダイエット」といって、こんにゃくばかり食べていると、体が衰え筋肉も減って、肌荒れし、やつれてしまう。
私の場合は三食を今まで通り普通に食べ、間食を全く食べないで、1ヶ月で1sの体重減であった。
その程度のダイエットでも、いつも「腹へった」状態で、食事が待ち遠しくてならなかった。
たばこを止めるときは、1週間か10日ほどはニコチン切れの痛烈な飢餓感が襲うが、これをすぎるとたばこの誘惑はそれほどでもなくなる。
禁煙は短期間で達成されるのに対し、ダイエットは長期間の空腹感に耐えねばならない。
ダイエットを始めても最初は空腹ばかりで、体重が落ちずにがっかりするが、半月ほどすると少しずつ体重が減ってきて、体重計に乗るのが秘かな楽しみになる。
この楽しみができると、スリムになってかっこよい自分を想像して、空腹にも我慢できるようになる。
空腹感のないダイエットなどは存在しないのである。
空腹に耐える覚悟をし、長期間続ければダイエットに成功すること間違いない。(ダイエットの項 終わり)