ムクゲ(木槿)の花が咲き始めた(写真)。
ムクゲは7月から10月まで咲き続ける夏の花で、これから暑くなるにつれ、ますます盛んに花を付ける。
人間はもとより、小鳥までも日陰を求めるような夏の日ざしの中でも、ムクゲはしおれることなく花を開いている。
花色には赤、紫、桃、白があり、一重咲きに八重咲きなど、様々な改良種がある。
その中で、花心の赤い白の一重咲きが夏の暑さによく似合う。
ムクゲの花は朝開いて、夜にしぼむので、「朝開暮落花」の別名があり、「槿花一朝の夢」とは、一日だけの栄華をムクゲに例えたものである。
日が落ちると、ムクゲの花びらは肩寄せ合うようにたたみ込んで、筆の穂先のような元の形に戻ってから、夜のうちにポトリと落ちる。
この花の終えんはまことにひそやかで、散り際という言葉は当たらない。
ムクゲは韓国の国花である。
韓国では次々と新しい花を咲かせ続ける生命力を愛し、国花になったという。
わが国では古くから桜が愛され、桜が国花である。桜は一斉に花を開き、一斉に散ってゆく。
桜とムクゲは全く違った花の咲き方で、両者は対極にある花と言っても過言ではない。
W杯サッカーはブラジルが優勝し、1ヶ月の祭典が終わった。
日本は1次予選を突破し、韓国は4位となり、両国とも予想以上の活躍であった。
外国から来た選手もサポーターも、好印象を持って帰ったようで、日韓共催の大会は大成功だったように思う。
しかしながら、この大会での両国国民の行動にはかなりの違いがあった。
冬季オリンピックでの失格問題に関し、韓国とアメリカの試合で見せた韓国選手の行動など、日本人には考えられない事である。
この大会で報じられた日本に対する韓国のライバル意識なども私は理解に苦しむ。
桜とムクゲの違いのように、両国の国民は人間性が根本的に違っているのであろうか。
両国間に不幸な歴史があったとしても、個人の人間性までも違っていると私は思わない。
W杯サッカー共催を契機に、国民一人一人がお互いに理解を深めれば、分かりあえるのではなかろうか。