今年は台風の当たり年だという。関東にも既に3回の台風が接近した。
いずれの台風も関東の南を通り、かなりの雨を降らせたが、風は弱く、被害はなかった。
被害どころか、適当な間隔でかなりの雨が降り、例年の渇水問題が生じず、公園の木や街路樹も生き生きとしていて、利点ばかりである。
台風が来るたびに、テレビでは警戒を呼びかけるが、大した風も吹かず、テレビ報道は少しばかりオーバーすぎるように思う。
台風が去ると、テレビも新聞も、被害ばかりを強調する。
台風の雨によって、街路樹の緑が濃く、貯水池が満杯になったようなメリットを報道しても良いのにと思うが、いかがであろうか。
台風シーズンが来ると思い出すのは、大牟田市の工場勤務の時、平成3年9月に襲来した台風19号(添付天気図)のことである。
19号が襲った当日の朝は晴れていて、台風が来ても夜になるだろうと、のんきに構えていた。
ところが、19号は強い勢力を保ったまま向きを東に変え、加速しながら予想以上に早い時間に九州北部を横断した。
午後4時ごろから猛烈な風が吹き始め、2時間ほど吹き荒れた。
後で聞くと、風速は50b以上だったようで、屋外では立っておれず、事務所の窓ガラスは割れるのではないかと、恐ろしくて窓に近づけなかった。
この台風で屋根がわらが吹き飛び、送電線の鉄塔や電柱が倒れ、大きな被害が発生した。
送電線の復旧に日数がかかって、1週間以上も停電した地域もあった。
復旧用の屋根がわらも職人さんも足りなくて、半年以上も屋根に青いシートが掛けられていたように覚えている。
この19号台風は予報よりも早い時間にやってきて、予想以上の強い風が吹き、考えも及ばぬ大きな被害をもたらした。
私たちは台風予報も台風の威力も甘く見ていたようで、私は初めて台風が恐いものだと経験した。
最近の台風予報を見ると、台風の予報を広範囲に予報しているようで、台風に対して身構えた気持ちになっていても空振りに終わる事ばかりである。
この様なことが続くと、予報が信頼されなくなり、19号台風の時と同じように、被害が大きくなるのではないかと気にかかる。