スポーツクラブに自転車で通っている。
行きは下りとなるので10分弱、帰りは上りになって10分強の時間がかかる。
住宅地を抜けてゆくと、いろいろな花が飾られていて(写真)、それらを楽しみながらノンビリとペダルをこぐ。
最近、自転車に乗っていて気が付いたことは、どの自転車も私を追い抜いてゆくようなのである。
元気な子供たちが追い抜いてゆくのは当然としても、補助いすに小さい子供を乗せたお母さんも、ママチャリにスーパーの買い物袋をのせた中年の女性までもが私を追い抜いてゆくようである。
私の自転車のスピードが一番遅いのに気が付いた。
毎日、自由気ままな生活を送っていると、生活のリズムがゆったりして、自転車の乗り方までも年寄り臭くなった。
先日、ラーメン屋に入ったとき、メニューに「タクシー飯」とあったのでたのんでみた。
出てきたのは白いご飯に中華風のあんを掛けたもので、簡単に言えば中華丼であった。
店の人に聞いてみると、中国ではタクシーの運転手が時間を惜しみ、早くできて早く食べられるこの様なご飯を好み、あんかけご飯を「タクシー飯」と呼ぶようになったのだという。
私も若い頃から食べるのが早かった。
工場勤務が長かったので、昼食は仕出し弁当が多く、いつもあっという間に弁当を平らげた。
そして、昼休みを囲碁将棋、テニスなどで過ごすのである。
定年近くなってから、昼食後囲碁将棋などをすることはなくなったが、それでも食事のスピードは速かった。
会食の時など、私の皿が一番に空になり、きまりの悪い思いをしたものである。
食事だけでなく、私はせっかちな性分で、待つのが大嫌い、並んで待ったり、時間通りに始まらなかったりするとイライラしたものであった。
歳をとったせいか、それとも毎日気ままな生活を送っているからかも知れないが、最近は食事をゆっくり食べるようになり、せっかちな性分も幾分なくなってきたように思う。
今更昔の私に戻ることはできないので、これからも中高年の女性にも追い抜かれながら、ノンビリと花を眺めて自転車をこぐしかない。
世の中は「ゆっくり」「ゆったり」の風も吹き出しているのだから。