第62回「浜風にのって」(2002年9月21日)

セイスモサウルス

今年の夏のイベントで大人気だったのは千葉の幕張で開催された「恐竜博」だった。
既に入場者が90万人に達し、多いときは1日に3万人もの入場者があったという。

私も夏休みの混雑を避けて、9月に入ってから観に行った。
週日なので会場はがらがらかと思ったらかなりのにぎわいで、夏休み中ならゆっくりと見物することはとてもできなかったであろう。

展示品で一番印象的だったのはセイスモサウルスの復元骨格である。
体長は35b、体重は42dに達すると言われ、頑丈な4本足の胴体から10bはあるかと思われる首と20b近い尾が前後に伸びていた。

胴体は人間の体ほどの大きな骨で構成され、そこから首と尾がたくさんの関節でつながって緩やかな曲線で伸びており、迫力満点、見事な造形美を作っていた。
セイスモサウルスは恐竜の中で最も大きく、1億年以上も前の地球を歩き回っていた草食恐竜だという。

このほかにも大小様々の恐竜の化石や復元骨格(写真)が展示されており、臨場感あふれるCG映像や発掘現場の写真、化石の発掘体験など興味深い展示がたくさんあった。
私のような年配者でも面白かったので、恐竜に興味のある子供たちならさぞかし楽しいであろう。

全盛を誇っていた恐竜は約6500万年前に突然姿を消し、絶滅した。
絶滅した理由はまだナゾのようで、いん石の衝突による気候変動説が有力だという。
巨大ないん石が地球に衝突し、舞い上がったチリが地球を覆って太陽光を遮り、植物が育たず、恐竜も死に絶えたという説である。

現在の地球も気候の温暖化が盛んに言われており、このまま進めば人類は、人類自身が排出した温暖化ガスによって気候が変わり、絶滅の危機に突き進んでゆくのだろうか。

恐竜博を観た後、幕張を少し歩いてみた。
 前に幕張に来たのは15年ほど前で、盛んにビルが建設されていた。
その頃は空地も目立ったが、今ではすっかり建物で埋まり、ホテルやショッピングセンターもできていて、巨大な新都心の誕生である。

昔は海だったところに建ったビルの林立を眺めると、それが現代の恐竜のように見え、大きなセイスモサウルスも小さく思えてきた。

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