クアラルンプール国際空港で一歩空港ビルに足を踏み入れると、真新しい清潔感あふれる立派な建物に感嘆した。
このビルは黒川紀章設計事務所の設計、竹中工務店他の施工で数年前に完成し、空港の広さが成田の10倍、世界最大級の国際空港だという。
クアラルンプールのホテルの窓からは、タケノコを2本並べたようなビルが目に入る。
このビルは88回建て、高さ451.9bのペトロナスツインタワーで、世界で一番高いビルである(写真)。
ホテルからは世界で4番目に高い通信塔の他、高層ビルが並んでいるのも見えて、この景観は私の想像を超えたものであった。
ホテルの前の道路は新しい車が片側3車線を整然と絶え間なく走り続け、日本の都市とまったく変わらない。
マレーシアはマハティール首相が1981年に就任し、「ルック・イースト(日本を見習え)」のスローガンを掲げて、経済発展を推し進めてきた。
この政策が実を結び、マレーシアは15年ほどで素晴らしい発展を遂げた。
そのシンボルが空港であり、高層ビルである。
クアラルンプールのホテルを夕方5時前に出て、郊外の蛍を見に行ったときのこと。
丁度、勤め人の帰宅時間と重なり、道路が車で大渋滞となっていた。
見かけないマークの車が多く、これがマレーシアの国産車であった。
マレーシアは日本のメーカーと提携して車を生産しているが、この車はドイツや日本の車と比べると、何となく垢抜けしないスタイルである。
運転は静かで、クラクションを鳴らすこともなく、渋滞を辛抱強く進んでいた。
日本と違って、どこもバイクが多い。
2人乗りのバイクが渋滞の車の間をすり抜けて走っており、事故にならないものかと気になった。
マレーシア国内を車で走っていると、まだまだ遅れているところもあり、 新しい高層ビル街にもアンバランスな面が多く見られる。
マレーシアは2020年に先進国入りするとの目標をかかげており、 このペースで成長を続ければ、目標達成も夢ではないであろう。
最近、マハティール首相は日本の経済低迷や若者の茶髪を批判し、最早、日本は手本でないと述べた。
マ首相は来年引退すると表明しており、後継者はどのように国を運営するのであろうか。