第73回「浜風にのって」(2002年12月7日)

マレーシア周遊(3)

オランウータン

最近、マレーシアの野生オランウータンが絶滅の危機にあり、政府はオランウータンを守るための保護施設を作っている。

 ペナン島の近くでその保護施設を見物した。
 小さな島が保護施設になっていて、見物者はトンネルのような檻(おり)の中を歩き、オランウータンが檻の外の高い木の上で休んだり、歩いたりしていた。

どのオランウータンもゆったりとした動きで、日本の動物園で見たオランウータンに比べ、毛並みがきれいなのに驚いた。
えさは人間が与えているようだったが、熱帯に住む野生のものはこの様にきれいなのであろう。

 近くに、金網で大きなケージも作られ、その中にオームのような熱帯の鳥や小動物が飼われていた。
見物者もケージの中に入って間近に鳥などを見ることができる。

赤い胴体のオームが手すりに止まって動かないのではく製かと思ったらこれが本物で、猿はのんびりとえさを食べていた。

胴回りが私の腕よりも大きく、長さ3bほどのニシキヘビもいて、見物者はこのヘビを首に巻いて写真を撮ることができる。
私はヘビが苦手なのであるが、勇気を奮って挑戦してみた。

係の人が大蛇を首にかけると、首筋がひやりとして、ずしりと重かった。
写真を撮るため大蛇の首を握って持ち上げたが、できあがった写真を見ると顔がこわばっていた。

私よりももっとヘビが嫌いな妻も挑戦し、大蛇を首に巻いた泣き笑いの写真ができた。

 マレーシアは常夏の国で、1年中最高気温が31〜33℃、最低気温が21〜23℃である。
ここで育つ動物は毛並みがきれいでつやが良く、気分までゆったりしているようであった。
日本の動物園にいる熱帯の動物たちがかわいそうである。

 マレーシアでは植物も大きく育ち、木も草も生き生きとしていた。
日本の花屋で観葉植物として売られているものが、露地うえで大きく育っている。赤い葉のドラセナは背丈よりも大きく、ポトスの葉はうちわほどの大きさだった。

 外国旅行をすると、その土地の名所旧跡も良いが、動物や植物が面白い。特にマレーシアのような熱帯になると、温帯の日本では想像もできない景色に出会ったり、面白い果物があったりして、興味が尽きない。

(写真はたわわに実った椰子の実)

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