クアラルンプールでもペナン島でも、20階建てから30階建てぐらいの高くて細いビルが目立った。バラ色やオレンジ色など派手な色のベランダに白い壁の分譲マンションのビルである。
日本なら地震でも台風でも倒壊しそうだが、マレーシアでは地震も台風もないので大丈夫だという。 土地も人件費も安く、建て方も簡単なので、日本から比べると夢のような値段、日本の十分の一ぐらいの値段で、この様な立派なマンションが買える。
マンションに限らず、マレーシアは日本に比べると物価が驚くほど安い。
月に10万円あれば夫婦で生活出来るそうで、東京で自宅マンションを貸し、その家賃でペナン島のリゾートマンションで悠々自適の生活が送れるとの話である。
マレーシアではTシャツ2枚とパンツ2枚あれば年中過ごすことができる。
森へ行けば食べ物もあるので、マレーシアでは餓死することも凍死することもない。
考えようによっては、マレーシアは南の楽園である。
(マレーシアの小話)
マレーシアの長老が日本人に聞いた。
「日本人はどうしてそんなに毎日、朝から晩まで働くのかね?」
「それは、引退したとき、毎日、昼寝でもしてのんびり暮らせるようにせっせと貯金しているのです」
「そんな生活なら、わしは若い頃から今までずっと続けているよ」
「旅の終わり」
ツアーの全日程が終わり、帰りの航空機にチェックインするときになって気が付いた。
私の帰りのチケットが無くなっていた。
一瞬、盗まれたかと思ったが、そうではなく落としたようだった。
予定通りには帰れないかも、と頭をよぎったが、ガイドがいろいろと交渉してくれて、ペナルティー1万円とマレーシアの国内運賃を払って、無事帰りの航空機に乗ることができた。
成田に着くと、テレビニュースで、日本は寒波襲来、北海道では雪になったと放送していた。
出発前は緑だった空港周辺の樹木は紅葉を始めていた。
常夏のマレーシアでのんびり昼寝も良いかも知れないが、春夏秋冬のある日本に、やっぱり私は住みたいと思う。(この項終わり)
(写真はペナン島のリゾート地風景)