今年も庭の縁石周りや道路際でクロッカスが黄色い花を咲かせた(写真)。
4年前に植えたときは白と紫も混じっていたが、その後植え替えたりしているうちに、黄色が多くなり、白はなくなって、紫がわずかに残るだけとなった。
黄色のクロッカスが咲き、一週間ほど後れて紫のクロッカスが咲く。
クロッカスは朝のうちは花びらを閉じていて、日が当たると花を開き、夕方にはまた花を閉じる。
暖かくなった日差しの中、黄色い花が一斉に開いたのを眺めると、春が来たなと感じる。
クロッカスには秋咲きのものもあって、秋咲きクロッカスとはサフランである。
サフランは漢方薬に用いられたので、薬用サフランとも呼ばれ、春咲きのクロッカスは花サフランと呼ばれる事もある。
サフランのめしべを集めて干したものが今も香辛料として用いられており、スペイン料理のパエリアにはこのサフランが欠かせない。
パエリアの黄色い色と芳香はサフランによるものである。
ヨーロッパではクロッカスが春を告げる花として、日本の桜のように親しまれているという。
ヨーロッパの冬は日本よりずっと寒く、その上昼間の時間が短いので、我々が考える以上に、春を待つ気持ちが強い。
ヨーロッパの人々はクロッカスが咲くのを待ちかね、クロッカスの咲いたのを見て春が来たと感じるようである。
桜の開花予想や開花のニュースが日本の新聞やテレビで報道されるのと同じように、ヨーロッパ各国ではクロッカスの開花が新聞やテレビで報道されているという。
日本は桜前線で春が北上するように、ヨーロッパではクロッカス前線で春が北上する。
お隣の韓国では日本の桜やヨーロッパのクロッカスに相当するのがレンギョウだという。
韓国の人々は最南端の済州島でレンギョウが咲いたとのニュースで春の訪れを感じ、黄色いレンギョウ前線の北上とともに韓国に春が訪れる。
今年も桜の開花予想が発表になり、平年よりやや早いか、平年並みのようである。
昨年のように3月中旬の開花だと季節感が狂ってしまうが、今年は3月下旬に開花のようで、春休みは桜の名所が賑わいそうである。
今年はどこの桜を見に行く事にしようか。