商店街の歩道にピンクのキンギョソウを植えたプランターが50個近くも並んでいた。
キンギョソウの花は全部ピンクで、葉の緑、プランターの白と併せて、とてもモダンであった。
普通はこうはゆかず、花の種類も色も多くなってしまいがちである
我が家の玄関周りにも、パンジーやビオラ、チューリップなどのプランターや鉢植えが並んでいるが、赤黄白紫と多彩である。
ついあれこれと手を出して、花の種類も色もまるで幼稚園のようににぎやかだ。
最近はガーデニングブームで、どこの家でも鉢やプランターで花を飾っていて、このシーズンに多いのはパンジーとビオラである。
中でもビオラは花が小さいけれども花付きが良く、長期間楽しめるので、1番人気である。
キンギョソウは鉢植えに適したわい性種が出るようになって、最近はプランターや鉢植えのキンギョソウが目に付くようになった。
キンギョソウはパンジーやビオラにない赤やピンクの花があって華やかであり、花期も長い(写真)。
キンギョソウ(金魚草)の名は花の形が金魚に似ている事から付けられた。
金魚が泳いでいるとイメージしてキンギョソウを眺めると、尾ひれの大きい赤白黄色の金魚が群れをなして泳いでいるように見える。
日本人ならだれでもこのように見えるのではなかろうか。
ところがこれは日本人だけのようで、欧米では花の形を金魚とは見ないようである。
「キンギョソウ」は移入されたときに付けられた日本名で、キンギョソウの英語名「スナップドラゴン」は「かみつく竜(りゅう)」の意味であり、ドイツ名は「ライオンの口」、フランス名は「子牛の鼻」を意味している。
外国から最初に花が移入されたとき、先人たちは、その花の形や色にふさわしい日本名を付けた。
キンギョソウはその例で、原名よりもずっと優雅な名前である。
チョークプラント(はくぼく草)はカスミソウ(霞草)、オーキッドカクタス(蘭さぼてん)はクジャクサボテン(孔雀さぼてん)と名付けられたのもその例である。
花の名前一つとってみても、日本人は欧米人に比べて美しくて優しい感性を持っているように思う。