新型肺炎が中国で流行しており、収まりそうにない。
中国との交流が多いにもかかわらず、日本で患者が出ないのが不思議なくらいである。
香港では日本人は納豆を食べているので新型肺炎にかからないとのうわさが流れ、日本人はせっせと納豆を食べているという。
さらに、韓国人はキムチを食べているから新型肺炎にかからないとのうわさも流れたそうで、キムチ納豆を食べれば万全ということになる。
いずれも根も葉もないもので、納豆やキムチで新型肺炎が予防できる根拠は何もない。
新型肺炎と納豆の話は別にして、納豆好きの人は香港にいても、時々、納豆を食べないと日が過ごせないようである。
香港のスーパーでも日本からの輸入物の納豆が売られていて、最近は日本人以外の人も納豆を買うのを見かけるという。
私が納豆を初めて食べたのはいつだったろうか。
多分、会社に入り、工場実習の合宿で納豆が出たのが最初ではないかと思う。
「これ、何?」と1粒か2粒口に入れて、それ以上食べなかった。
私は食べ物の好き嫌いはないと言っていたがが、納豆だけは苦手な食べ物であった。
数年前、納豆が健康食品としてテレビで取り上げられたことがあった。
その時、納豆の食べ方が放送になり、納豆はかき混ぜればかき混ぜるほどおいしくなるとあった。
納豆のおいしさはネバネバの中に含まれるグルタミン酸で、このグルタミン酸は、ネバネバを断ち切るほど強くかき混ぜると舌に感じるようになるという。
これを聞いて、私も納豆を腕が痛くなるほどかき混ぜてみると、ねばねばが白くなって、糸引きが弱くなった。
この白い納豆は、何もしない納豆に比べて格段に味が良くなり、臭いも余り気にならなかった。
これ以来、私も十分に納豆をかき混ぜ、納豆を食べるようになった。
今ではいつも納豆を冷蔵庫に入れていて、気が向いた時に食べることにしている。
納豆好きの人は無性に納豆を食べたくなる時があるそうだが、私はそこまで納豆好きになったのではない。
納豆は健康によいというから食べようと思うのであって、冷蔵庫の納豆はしばしば賞味期限切れになる。
(食物考 終わり)