第97回「浜風にのって」(2003年5月31日)

江戸開府400年(1)

江戸東京博物館

今年は徳川家康が江戸に幕府を開いてから400年にあたる。

これを記念して東京では「江戸開府400年」と名付けた各種イベントが始まっており、これからもいろいろなイベントが計画されている。
これまでは今ひとつ盛り上がりに欠けるようであるが、これから夏にかけて、次第に熱が入ってくるのであろう。

「江戸開府400年」を良い機会として、私も東京をあちこち巡ってみたいと思っている。
その一端をこのエッセーで紹介することとし、その1回目が今回の「江戸東京博物館」である。

 

両国の駅を出ると正面が両国国技館で、その右隣の大きい建物が「江戸東京博物館(写真)」であった。

7階建ての6階と5階が常設展示室で、江戸時代から昭和までの生活や文化が実物大模型や数々の資料で展示されていた。
この種の展示は歴史資料館などとして各地に誕生しているが、ここの展示は規模が大きく、他の追随を許さないものであろう。

特に江戸時代の暮らしに関する展示が充実していて、町並みや建物などを再現した模型は当時の人々の生活をまのあたりにするようであった。
明治の文明開化の展示や戦後の暮らしの展示なども興味深かった。

私がおやおやと思ったのは江戸期でも文明開化期でもなく、昭和期の展示品であった。
私がボーナスを全部使って買ったハイファイステレオと同型のものや、何度も乗せてもらった軽自動車スバル360、初期の電気がまや洗濯機などが展示されていた。

これらのものが登場したのはつい最近のようで、私の手にそれらを触った感触が今も残っているように感じる。
ハイファイステレオやスバル360が博物館に入るなら、それより古い私自身も立派に博物館級ということだろうか。

地下の展示室では「江戸開府400年・江戸東京博物館10周年記念」として、宮本武蔵の水墨画も展示されていた。

 当日は週日であったにも拘わらず、かなりの人が入っており、小中学生の団体もたくさんきていた。
予想外だったのは外国人が多かったことで、英語のガイドさんの説明を熱心に聞いているのに感心した。

私達が外国を旅行して、博物館でゆっくり時間を過ごすことはめったにない。

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