利休道歌自撰十首

利休道歌百首の中で気に入った歌10首選んでみました。(2005.8)  

   

(1)その道に入らんと思う心こそわが身ながらの師匠なりけれ
(2)稽古とは一より習い十を知り十よりかえるもとのその一
(3)はぢをすて人に物とい習ふべし、是ぞ上手の基なりける
(4)茶の湯とはただ湯をわかし茶をたてて飲むばかりなることと知るべし 
(5)茶はさびて心はあつくもてなせよ道具はいつも有合にせよ
(6)点前には重きを軽く軽きをば重く扱ふ味ひをしれ
(7)何にても置き付けかえる手離れは恋しき人にわかるると知れ
(8)右の手を扱ふ時はわが心左の方にあるとしるべし
(9)茶入又茶筅のかねをよくも知れあとに残せる道具目当てに
(10)水と湯と茶巾茶筅に箸楊枝柄杓と心あたらしきよし

(1)(2)(3)はベスト3、茶道に限らずいろいろな場面で心に響くものです。

(5)は、「道具は有り合わせに・・」というところが気に入っています。吾唯知足

(6)(7)(8)(9)はお点前の時のポイントでこれを守れば美しさアップ!

(10)は水屋の心得、「心もあたらしきよし」というのがグサッときます。初心忘るべからず!

 

この外にもためになる歌が沢山あります。

よくお扇子の裏表に細かく書かれていますが、ゆっくり一首づつ味わってみると勉強になります。