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私がお茶を始めたのは、高山でお茶の先生をしていた祖母の勧めである。素直に勧めに従って、大学では茶道部に入った。最初はあまり興味がわかなかったが、友達と一緒に稽古場に通ったり、学園祭で着物を着てお点前をしたりしているうちに、少しずつ楽しくなってきた。卒業後、就職しても近所のお茶の先生のところでお稽古を続けた。そして結婚。お茶どころではなくなった。しかも、主人がアメリカに留学することになり、私も一緒に行って、外国で年子を産み、育児に追われた3年間であった。 アメリカ行きが決まった時は、一生懸命アメリカのこと、歴史や言葉など勉強していったが,いざ行ってみると、パーティなどで聞かれるのは必ず日本のことであった。歴史にしても、日本の伝統的な文化についても、情けないことに私はしっかり答えることができず、大いに恥をかいた。もちろん、主人が助け舟を出してくれたお陰で、その場はなんとかくりぬけたのだが・・。日本人なら日本のことをもっと知らなければいけない、真の国際化は自分の国のことをよく知ることだとつくづく思った。そこで、帰国して、前にやっていた茶道をまた始めたのである。動機がはっきりしたので、この歳まで続いているわけである。 |