農薬の毒性・健康被害にもどる
n00204#農薬散布車による死亡事故がつづく〜農水省へ対策強化を求める#18-05
【関連記事】記事t21605
【参考サイト】農水省:平成28年の農作業死亡事故について(2/13)と
平成 28 年に発生した農作業死亡事故の概要
農作業安全対策の頁にある
農作業中の死亡事故発生状況 年度別件数推移
動力防除機による死亡事故件数
年度 2007年 08年 09年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 2016年
件数 4 5 9 8 4 7 10 12 10 10
多くの自治体で、H30年度の農薬危害防止運動が6月から始まりますが、5月に入ってから、下記のように、農薬散布車での散布中の死亡事故の報道が目立ちます。
5月15日朝、山梨県笛吹市のブドウ畑で、82歳の男性が死亡
21日午前8時ごろ、岩手県紫波町のリンゴ園で、68歳の男性が死亡
22日午前7時ごろ、福島市在庭坂の果樹畑で、62歳の男性が死亡
6月18日午前6時前、 山梨県韮崎市の桃畑で、82歳の男性が死亡
わたしたちは、2009年に同様の事故が多発した際、善処をもとめましたが、その後も、動力防除機による死亡事故の発生は、減ることなく、2013年以降は、毎年10件を超えています。つきましては、以下のお尋ねと事故防止対策の実施を求めますので、6月6日まで、下記へご回答願います。
★お尋ねします
1、上記3件の事故について、それぞれの発生状況などを教えてください。
(1-1)発生したのはいつですか。
(1-2)発生したのはどこで、現場はどのような場所ですか。
(1-3)事故を起こした散布車のメーカー及び機種は何ですか。
(1-4)事故車に農薬は積載されていましたか。されていたならば、農薬製剤名はなにで、
積載されていた量はいくらですか。
(1-5)事故車に積載されていた農薬はどのようになりましたか。漏れ出たとすれば、その量はどの程度ですか。
2、3件の事故で、散布車が転倒した原因はなにですか。
3、被害者は、農薬散布のための、防除衣やマスクやメガネなどの防具をつけていましたか。
4、それぞれの事故について、散布していた農薬と事故の関連性は調査されましたか。
されたとすれば、その結果を教えてください。
5、2009年以降の農薬散布車スピードスプレーヤーによる事故事例を教えてください。
事故年月日 発生場所 散布車のメーカーと機種 事故状況 被害状況 事故原因
の一覧でお願いします。
6、このような事故の再発防止のため、貴省ではどのような対策をおとりですか。
また、今回の一連の事故を踏まえ、農薬散布車に関する注意連絡や通知を発出されていますか。
されておれば、いつ、どのような方法で、どのような内容で発出されたか、
教えてください。
文書があれば、お示しください。
以上
★生産局技術普及課生産資材対策室 よりの回答 (6/01)
農作業中の事故により、近年は年間300人以上の方が亡くなられている中、動力防除機
で亡くなられている方は10人前後で推移しており、農作業安全の確保は極めて重要な課
題と認識しています。
動力防除機による死亡事故の原因別人数(平成28年)
・機械の転落・転倒(例:法面に乗り上げて横転して受傷):3人
・挟まれ(例:防除機と木の枝との挟まれ):2人
・ひかれ(例:防除機にひかれ下敷きになる):2人
・その他(例:防除機乗車中に木の枝に衝突して受傷):3人
このため、農林水産省は事故情報を分析し、分析結果を農作業安全対策に活用するため、都道府県及び農業機械メーカーに対して事故情報の収集を要請しています。
【参考通知】農林水産局長通知:
農作業事故の情報収集の強化に向けた要請について(28生産第1512号、平成29年1月4日)
通知に基づき、都道府県及び農業機械メーカーから事故情報を提供いただいているところでありますが、新聞記事以上の情報を収集する際には、事故受傷者本人、死亡事例では遺族への聞き取り等が必要になることから、詳細な情報の把握・収集は容易ではな
状況です。
引き続き、都道府県及び農業機械メーカーに事故情報の収集を要請するとともに、事
故分析情報を活かした農業現場での安全利用や農業機械の安全設計の促進を図っていきます。
なお、農作業安全対策の一層の徹底のため、担当する関係行政機関、研修機関、農業
者団体等において農業者等を指導する統一的な指針として「農作業安全のための指針」
(農林水産省生産局長通知(最終改正平成30年1月19日)を制定しており、その中で動
力防除機の点検整備の必要性、農薬の適正な取扱い等についても触れ、現場レベルでの
取組を促しております。
【参考指針】農作業安全のための指針(29生産第1690号、一部改正 平成30年1月19日)
作成:2018-05-31、更新;2018-06-23