食品汚染・残留農薬にもどる

n00705#国産野菜等の残留違反事例〜漢方生薬にも#18-10
【関連記事】記事t31507食品汚染・残留農薬記事一覧

 昨年12月以降の残留農薬基準違反の事例を紹介します。

★ホウレンソウほかの野菜類違反
【参考サイト】群馬県;県産「ほうれんそう」からの残留農薬の基準値超過について
       滋賀県:JA草津市わさび菜の自主回収について
       鹿児島県:食品等自主回収情報の頁
       静岡県;JA遠州夢咲お知らせとお詫び
       島根県:摘果メロン(漬物用)での適用外農薬の使用に係る県の対応について
       長野県;JA信州諏訪お詫びとお知らせ
       青森県:食品回収情報の頁
       新潟県;JA新潟市小松菜」における農薬残留基準値の超過検出について

*2017年12月8日 群馬県は、県食品安全検査センターの分析で、JAにったみどりの農家が出荷したホウレンソウからトルフェンピラドに0.02ppm(一律基準0.01ppm)検出されたとして、自主回収を要請しました。
 立入調査で、当該農薬のホウレンソウへの使用は確認されず、別圃場で栽培しているブロッコリーに同剤を散布した際の散布機の洗浄不足が原因とされました。

*2018年1月 大分市保健所の調べで、臼杵市の農家が生産し、市内の直売所で販売されていたミズナから登録外のエトフェンプロックスが0.05ppm検出されました。

*2018年2月15日 滋賀県の食品回収情報によると、JA草津市から出荷されたわさび菜に登録外のフェントエートが0.28ppm検出されました。散布機の洗浄不足が原因だったとのことです。

*2018年4月9日 鹿児島県の食品等自主回収情報によると、小売用茶袋入り煎茶にプロシミドンが0.19ppm検出されました。 鹿児島製茶お詫びとお知らせ美老園お詫びと自主回収がでています。

*2018年5月14日 静岡県のJA遠州夢咲が出荷したニンジンからイミシアホス0.06ppmが検出(残留基準 0.03ppm)され、。自主回収されました。

*2018年6月8日 島根県では、JA島根が、松江、益田、出雲、津和野ほかで、販売していた漬物用摘果メロンに、適用外農薬が使用されていたことが判明、農薬誤使用による自主回収についてを発信されました。

*2018年7月11日 長野県のJA信州諏訪 出荷のセロリに適用外の除草剤メトラクロール0.09pppmが検出され、回収が命ぜられました。

*2018年8月1日 青森県のJA十和田おいらせが出荷したシュンギクに。自主検査の結果、適用外のオリサストロビン0.06ppmが検出され、自主回収と出荷停止がなされました。

*2018年8月11日 新潟市の回収情報によると、JA新潟市が販売したコマツナの収去検査で、フェリムゾン10.02ppm(一律基準0.01)とフサライド0.03ppm(同)が、市内農家が販売したチンゲンサイの収去検査で、はエトフェンプロックス13.4ppm(一律基準0.01)検出されました。
 前者は、水田に散布した農薬が付着、後者は、誤って適用外使用したためということです。

★依然とつづくドリン剤の違反
【参考サイト】青森市:残留基準値を超える農薬が検出された農産物について

 青森市は、2018年8月21日、市が実施した食品中の有害物質モニタリング検査事業で、市内生産者団体が販売したキュウリからエンドリン0.01ppmを検出(その後、精密検査で0.016。残留基準は検出してはならない)、当該キュウリの販売中止が命ぜられました。
 ドリン剤は、登録失効から40年以上経過していますが、なおも土壌に残留しており、キュウリなどへの移行残留が、いまだに見られます。青森県では2013年8月、バレイショから検出されたこともあります。また、2017年9月には、北海道のJA新函館が出荷したキュウリに、同じくドリン剤のディルドリンが0.03ppm(残留基準0.02ppm)検出されたこともあります(記事t31507参照)。食用作物を汚染圃場で栽培しないようきちんと管理することが肝要です。

★国内販売の漢方生薬の残留農薬
【参考サイト】農民連食品分析センター:Top Page漢方生薬の残留農薬分析20172003年の分析結果
       日本漢方生薬製剤協会:Top Page残留農薬への取組み(残留調査のデータあり)

 一般社団法人農民連食品分析センター(農業者や消費者の募金で1996年設立)が、漢方生薬の残留分析結果を5月に発表しました。試料は2017年8月〜9月にかけて、東京都内で購入した乾燥物8検体で、378成分の残留農薬検査が行なわれました。その結果は下表のようでした。産地は、中国産と推定されていますが、販売店に確認をしていないため、詳細は不明とのことです。8種の生薬のうち5種に12農薬が検出されました。一番高いのは、サンシュユ(ミズキ科の落葉小高木の果実)で有機リン系クロルピリホス0.226ppmでした。チンピ(ミカンの果皮)で、2,4-D(輸入レモンなどのへた落下防止用)0.053ppm、防黴剤イマザリル0.028ppmとクロルピリホス0.027ppm以外に、3種のネオニコチノイド類(アセタミプリド、イミダクロプリド、チアメトキサム)など全9農薬が複合残留していました。
 
 表 漢方生薬中の残留農薬 (単位:ppm)
試料名   農薬名       検出値   試料名   農薬名       検出値

オウゴン  検出せず             チンピ   2,4-D        0.053
キジツ	  アゾキシストロビン 痕跡              アセタミプリド      0.008
      アルジカルブ    0.009             イマザリル          0.027
      ボスカリド     0.089             イミダクロプリド    0.006
サンシュユ アセタミプリド   痕跡              カルボフラン        痕跡
      クロルピリホス   0.226             クロルピリホス   0.028
シャクヤク 検出せず                              チアメトキサム   痕跡
ソウジュツ 検出せず                              フェンピロキシメート痕跡
ソヨウ   アセタミプリド   痕跡              ヘキシチアゾクス  痕跡
      クロルピリホス   0.029
タイソウ  イミダクロプリド  0.003

作成:2018-10-29