ダイオキシンにもどる
n01004#DIC EP株式会社鹿島工場でのパラジクタンク爆発・死傷事故〜ダイオキシン類の調査なし#19-01
【関連記事】記事n00403(SDS社横浜農薬工場事故)
【参考サイト】DIC株式会社:Top Page、DIC EP株式会社
事故第一報(9/06)
一年前の2月のエス・ディー・エス バイオテック横浜工場の農薬TPNプラント爆発火災につづき、昨年9月6日、DIC社(旧大日本インク)鹿島工場のEPプラントのタンクで爆発事故が発生し、関連会社の方がひとりお亡くなられ、ひとり負傷されました。
本件は、農薬とは直接関係はありませんが、鹿島工場では、エンジニアリングプラスチックPPS(ポリフェニレンサルファイド)を製造しており、爆発したのは、原料であるパラジクロロベンゼンのタンクでした。パラジクは、衣料防虫剤やトイレ防臭剤として身の回りで使用され、室内大気などを汚染している有機塩素系物質(厚労省のシックハウス検討会による室内濃度指針値240μg/m3))で、わたしたちは、ダイオキシン源としても注視してきました。記事t13504に述べたように、パラジク中にダイオキシン類は検出されており、また、パラジク工場の火災(記事t13210c参照)があった、日本軽金属の工場排水や敷地内外の表層土からもダイオキシン類が検出されたからです。
そこで、今回の事故についてもDIC社に、質問し、回答をえましたので、その概要を示します。
反農薬東京グループの質問とDIC社の回答全文はこちら
★9月6日の爆発事故の経緯
DIC(旧大日本インキ)の関連会社であるDIC EPの鹿島工場(茨城県神栖市)のPPS製造の屋外タンク(原料であるパラジクロルベンゼン約110トンを保管)での溶接作業中、午後 1 時 50 分ごろ、火花が内部ガスに着火、タンク上部で小規模な爆発が発生、爆発は瞬間的なもので、その後火災は継続して発生せず、液状の化学物質は漏洩もなかったとのことです。放水などの消火活動はしておらず、事故発生後、ただちに、消防に通報し、救助活動を実施したが、爆発で協力会社の作業者2名が死傷しました。
地元の鹿行県民センター、神栖市環境課へ事故発生の通報を行ったが。直接、会社から周辺住民(最も近い住宅地域で 約1キロメートル離れている)へは広報されず、周辺地域からの被害報告はないとのことでした。
DICは、プレスリリース第一報で『近隣住民の皆様ならびに関係者の皆様には、多大なご迷惑・ご心配をお掛けし、深くお詫び申し上げます。また、被災されたご家族の方には、心よりお見舞い申し上げます。』との広報をだしましただけで、その後、第二報以下は公表されていません。
わたしたちが懸念した、パラジクなどの放出について、会社は、『タンク内で気化したパラジクロルベンゼンは極めて短時間で燃焼したと考えており、環境中への化学物質の放出はほぼないものと考えております』とし、環境調査の報告はありません。
さらに、ダイオキシン類発生については、その危険性に関して、工場関係者、消防関係者、周辺住民には、注意喚起も実施していないそうで、『調査の必要性については検討して参ります』とのことでした。
作成:2019-01-28