表1 検出された農薬の種類別数 有機リン系殺虫剤 10種 含窒素系及びその他の殺菌剤 24種 カルバメート系殺虫剤 2種 含窒素系及びその他の除草剤 3種 ピレスロイド系殺虫剤 7種 有機塩素系農薬 5種 含窒素系及びその他の殺虫剤 8種★柑橘類は食品添加物・防黴剤の残留が多い
表2 輸入柑橘類における農薬の検出状況−全果での数値で単位:ppb、()は果肉 作物名 生産国 検出数 最大値 検出率 /検体数 農薬名 ppb % オレンジ アメリカ 1 / 8 NAC Tr 12.5 1 / 8 OPP 680 12.5 8(4)/ 8(8) TBZ 2300(30) 100 8(6)/ 8(8) イマザリル 1900(40) 100 1 / 8 クロルピリホス 260 12.5 1 / 8 シフルトリン Tr 12.5 3 / 8 ピリプロキシフェン 10 37.5 1 / 8 フェンプロパトリン 40 12.5 オレンジ オースト 2 / 7 OPP Tr 28.6 ラリア 7(7)/7(7) TBZ 3000(750) 100 7(7)/7(7) イマザリル 2300(150) 100 オレンジ 南アフリカ 1(1)/1(1) TBZ 600(90) 1(1)/1(1) イマザリル 1000(30) 1(1)/1(1) イミダクロプリド 10(Tr) 1 / 1 ピリプロキシフェン Tr グレープ アメリカ 6(1)/7(7) OPP 1100(Tr) 85.7 フルーツ 7(4)/7(7) TBZ 1200(20) 100 1 / 7 PMP 250 14.3 7(5)/7(7) イマザリル 1700(30) 100 2 / 7 イミダクロプリド 20 28.6 5 / 7 クロルピリホス 90 71.4 1 / 7 シペルメトリン 10 14.3 4 / 7 ピラクロストロビン 140 57.1 1 / 7 フェンブコナゾール Tr 14.3 グレープ イスラエル 1(1)/1(1) TBZ 760(Tr) フルーツ 1(1)/1(1) イマザリル 1900(30) 1(1)/1(1) イミダクロプリド 30(Tr) 1 / 1 クロルピリホス 20 1 / 1 ピリメタニル 460 グレープ 南アフリカ 3(3)/5(5) TBZ 1500(30) 60 フルーツ 5(4)/5(5) イマザリル 1700(80) 100 2 / 5 イミダクロプリド 20 40 3 / 5 クロルピリホス 10 60 5 / 5 ピラクロストロビン 40 100 3 / 5 ピリプロキシフェン 20 60 3(1)/5(5) ピリメタニル 2400(Tr) 60 3 / 5 ブプロフェジン 20 60 1 / 5 メチダチオン Tr 20 グレープ メキシコ 1 / 1 TBZ 20 フルーツ 1 / 1 イマザリル 1600 スイー イスラエル 2(1)/2(2) TBZ 2700(10) 100 ティー 2(1)/2(2) イマザリル 2400(Tr) 100 2(1)/2(2) イミダクロプリド 20(Tr) 100 1 / 2 クロルピリホス Tr 50 1 / 2 ブロモプロピレート 80 50 1 / 2 ピリプロキシフェン 50 50 1 / 2 ピリメタニル 130 50 メロ アメリカ 1(1)/1(1) TBZ 1000(Tr) 100 ゴールド 1(1)/1(1) イマザリル 1000(Tr) 100 レモン アメリカ 4(2)/5(5) TBZ 1200(Tr) 80 3 / 5 アゾキシストロビン 570 60 5(2)/5(5) イマザリル 1700(20) 100 1 / 5 クロルピリホス 30 20 1 / 5 チアメトキサム 10 20 1 / 5 ピリプロキシフェン Tr 20 4 / 5 フルジオキソニル 1600 80 1 / 5 メタラキシル Tr 20 レモン チリ 6(4)/7(7) TBZ 450(80) 85.7 1 / 7 PMP 10 14.3 1(1)/7(7) アセタミプリド 10(Tr) 14.3 1 / 7 イプロジオン Tr 14.3 7(7)/7(7) イマザリル 1900(130) 100 7 / 7 クロルピリホス 80 100 1 / 7 シマジン Tr 14.3 2(1)/ 7(7) ピリメタニル 400(Tr) 27.3 1 / 7 ブプロフェジン 20 14.3 7(1)/7(7) フルジオキソニル 960(Tr) 100 レモン 南アフリカ 1 / 1 アゾキシストロビン 20
記者発表にある写真 |
★アメリカから輸入のグレープフルーツにストレプトマイシンが残留基準違反 【参考サイト】食品安全委員会;ハザード概要シート(案)(ストレプトマイシン) Nature:Nature VOL 567 p302-303(21 MARCH 2019) 東京都の調査ではありませんが、本年1月下旬に判明したのは、抗生物質系のストレプトマイシンのグレープフルーツでの残留基準違反です。 厚労省から、横浜市内の輸入者テナートレイディングが、アメリカから輸入したカートン入り「生鮮グレープフルーツ」の抜き取り検査で、殺菌剤ストレプトマイシンが0.06ppm検出されたとの通報を受け、横浜市は、基準(ジヒドロストレプトマイシン及びストレプトマイシンの和として 0.02ppm)を超えていたため、1月28日、回収命令をだしました。輸入数量1323カートン(1カートン27〜48 個入り)のうち、 704カートンがすでに、販売されており、2万個以上が流通しているそうです。 アメリカでは、柑橘類にストレプトマイシン系薬剤が使用されており、カンキツグリーニング病防止のため、さらに使用拡大の動きがあります。このため、同国の研究者や公衆衛生学者、環境保護団体らが、抗生物質耐性菌の拡大を懸念して、使用に反対しています。医薬品使用で、ヒトに聴覚障害の副作用も知られていますが、日本では農薬のほか動物医薬品用途もあります。ただし、ミカンをはじめとする柑橘類への適用登録はありません。そのうち、日本の柑橘残留基準を緩和するよう、アメリカから要求がくる恐れがあります。 |