食品汚染・残留農薬にもどる

n04001#2021年前半の残留農薬基準違反事例について#21-07
【関連記事】記事n03302
 本年の前半に報告された食品の残留農薬基準違反事例を以下に紹介します。行政の発表する情報には、『違反であっても、食べても、健康への影響は心配ない』というコメントがついているケースがほとんどです。

 @1月29日 JA山口が、出荷したホウレンソウに 残留農薬基準超過があったことを公表しました。
    同月22〜25日に出荷されたものに殺菌剤(ピラクロストロビン)が残留基準0.01ppmの010倍である
    0.1ppm検出され、回収されたそうです。
   検出濃度から判断して、「体重50kgの人が毎日1.7kgのほうれんそうを食べ続けても健康に影響はない」
   としています。

 A2月19日 コストコホールセールジャパン株式会社が販売した芽キャベツに残留基準を超える
    殺虫剤ピリダリルが検出されました。「通常の摂取方法によりお召し上がりいただいても
    健康被害の恐れはありません」とした上、回収・代金の返金措置がとられました。

 B2月26日 厚労省葉輸入食品の残留農薬検査で、大興物産株式会社が輸入したベトナム産
    ニンジン及びその加工品にヘキサコナゾールを検出されたことから、検査命令を実施する
    としました。残留基準は0.01ppmでしが、0.02ppm検出されたケースもありました。
    すでに一般流通しており。「体重60kgの人が、ヘキサコナゾールが0.02 ppm残留したニンジンを
    毎日 14.1 kg摂取し続けたとしても、一生涯の平均的な摂取量が許容一日摂取量を超える
    ことはなく、また、1日に750kg摂取したとしても、急性参照用量を超えることはなく、
    健康に及ぼす影響はありません。」とのことです。

 C2月27日 神戸物産は、冷凍エダマメに基準を超えるジフェノコナゾールが検出された
    として、回収・返金措置をとりました。

 D3月29日 朝日新聞が、ニューランド産のハチミツにグリホサート検出との報道しました。

 E4月15日 台湾からの報道として、同国が輸出しているバナナの残留農薬が問題となり、
    管理を強化するとのことです。
    3月にも基準超えた事例があり、今回は、デルタメトリンが0.02ppm検出されました。

 F4月20日 グリーンコープ生活協同組合連合が販売した「無農薬野菜セット」の
    ピーマン(宮崎県産)に栽培時に使用した噴霧器に、別の観賞植物用農薬が残留し、
    ピーマンに付着したことが、自主検査で判明。購入者に通知し、返金措置がとられました。

 G6月4日 ベトナム産シソクサについて、下記農薬が検出され、厚労省が、検査命令を発出しました。
    トリシクラゾール 0.63 ppm、0.07ppm(基準:0.01 ppm)が検出され、同省は
     「体重 60 kgの人が、トリシクラゾールが0.63 ppm残留したシソクサを毎日4.7 kg摂取し
     続けても、一生涯の平均的な摂取量が許容一日摂取量を超えることはなく、
     健康に及ぼす影響はありません。」としました。
    ルフェヌロン 0.03 ppm、0.07ppm (基準:0.01ppm)が検出され、同省は
     「体重 60 kgの人が、ルフェヌロンが0.07 ppm残留したシソクサを毎日12 kg摂取し続けても、
     一生涯の平均的な摂取量が許容一日摂取量を超えることはなく、健康に及ぼす影響は
     ありません。」としています。
    イソプロチオラン 0.03 ppm (基準:0.01 ppm)が検出され、同省は
     「体重60kgの人が、イソプロチオランが0.03 ppm残留したシソクサを毎日200 kg摂取し続けた
     としても、一生涯の平均的な摂取量が許容一日摂取量を超えることはなく、また、
     一般の集団については1日に1000 kg、妊婦又は妊娠している可能性のある女性については
     1日に240 kg摂取したとしても、急性参照用量を超えることはなく、健康に及ぼす影響は
     ありません。」としました。

 H6月18日 厚労省がベトナム産ドリアンについて、プロシミドンの検査命令発出しました。
    プロシミドン 0.02ppm 検出(基準:0.01 ppm)が検出され、同省は  
    「体重60kgの人が、プロシミドンが0.02 ppm残留したドリアンを毎日 105 kg摂取し続けた
    としても、一生涯の平均的な摂取量が許容一日摂取量を超えることはなく、また、一般の集団に
    ついては1日に 900 kg、妊婦又は妊娠している可能性のある女性については1日に105kg摂取しても、
        急性参照用量を超えることはなく、健康に及ぼす影響はありません。」としました。

ほかに、1月20日のインターネットブログ記事「ニュージーランド産の蜂蜜から発がん性疑惑農薬を検出
 厚労省、輸入禁止検討も」によると、ハチミツにグリホサートが検出され、日本が輸入をブロックする
との警告がでています。

作成:2021-07-30