食品汚染・残留農薬にもどる
t00912#食品への発ガン性農薬の残留はゼロとすべしとの判決−アメリカ#92-09
 去る7月8日、アメリカのカリフォルニア州の裁判所で、加工食品に発癌性農薬が残留していてはならないとする判決が下されました。これは、消費者団体NRDC(天然資源保護協会)が、EPA(環境保護局)の政策に対して、異議を申し立てて起こした訴訟の結果です。
 アメリカの食品・医薬品・化粧品法には、動物やヒトに対する発癌物質を食品に含有することを禁ずるデラニー条項という規則がありますが、EPAや産業界は、この規則は、1958年に出来た古いものであり、最近の分析技術では検出感度も向上し、いままで、検出されなかった物質も検出可能となってきた。発癌物質の検出をゼロとするのは、実際上不可能である。また、残留ゼロでなければ、危険とするのは非科学的であり、今後は、無視できる量の残留は認めるべきだと主張して、デラニー条項の撤廃を求める政策をとってきました。具体的には、100万人にひとり程度の癌の発生を認める程度の残留は許容しようというのです。
 今回の裁判では、発癌性が明かになっているベノミル(商品名ベンレート)、ホスメット(別名PMP)、トリフルラリン、マンコゼブ(ジチオカーバメート系農薬でエチレンチオウレアを含む)の四農薬を対象に、残留ゼロを求めて、NRDCが提訴しました。
 判決では、これら四農薬の残留した加工食品による発癌の危険は無視しうるとのEPAの主張は、デラニー条項に反した違法なものであると退けられ、消費者団体の勝訴となりました。EPAは、今後この判決は他の35の発癌性農薬にも影響を及ぼすだろうとコメントしています。
 日本でも、農薬の残留基準の大幅緩和を意図した厚生省の案に対して、消費者団体から、基準案反対の行政訴訟が提起されていますが、アメリカの動きはおおいに勇気づけるものとなるでしょう。

購読希望の方は、〒番号/住所/氏名/電話番号/○月発行○号からと購読希望とかいて、 注文メールをください。
年間購読会費3000円は、最初のてんとう虫情報に同封された振替用紙でお支払いください。
作成:1998-04-01