食品汚染・残留農薬にもどる
t01502#オレンジジュースの7割から残留農薬:北海道消費者センターのテスト#93-07
北海道消費者センターは、今年の2〜5月に道内で購入したオレンジジュース類中の農薬及び防黴剤の残留調査を実施し、その結果を公表しました。調査したジュース類は40銘柄(内37銘柄は外国産オレンジ類果汁を原材料として含む)、分析対象となった農薬及び防黴剤は以下の46種−略−です。
その結果、表1−略−に示すように有機リン剤のメチダチオンとエチオン及び防黴剤のジフェニル、チアベンダゾール、イマザリルの5種の薬剤が検出されました。他の有機リン系農薬、有機塩素系農薬、及び防黴剤OPPはすべての銘柄で検出されませんでした。
−中略−
表2−略−には、薬剤別の検出率等をまとめて示しました。有機リン剤メチダチオンが最も検出率が高く45%でした。また、何らかの農薬・防黴剤が検出された銘柄は55%の22で、そのうち、2種の薬剤が検出されたものは、No.9(スマイル)、No.19(キッコーマン)、No.21(全国農業協同組合連合会)、No.30(カゴメ)、No.37(全農ハイパック)の5銘柄。また、3種の薬剤が検出されたものは、No.1(モタ・ジャパン)、No.18(菱食)、No.36(全国農協直販)の3銘柄でした。()内はメーカー名
ジュースの原料が国産みかんのみである3銘柄については、エチオンと防黴剤は検出されませんでしたが、すべてに有機リン剤のメチダチオン検出され、しかもNo.40(イトーヨーカ堂)は0.021ppmという高い残留値を示しました。 国産、外国産を問わず柑橘類の栽培中に使用された農薬がジュース中に混入しているわけですが、エチオンとメチダチオンのいずれの農薬も柑橘類についての残留基準がないことは問題です。
検出された3種の防黴剤は食品添加物として認可されているため、もとの柑橘類がこれらで処理されていれば、加工食品である果汁への混入はさけられないと考えられます。そもそもジュースのような加工食品は殺菌パックされることが前提となっていますから、原料となる柑橘類に防黴処理をする必要がありません。加工用柑橘類には、防黴処理をしないことでジュース類への混入が防げるはずです。
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作成:1998-04-01