農薬の毒性・健康被害にもどる
t02206#有機リン系の羊洗液による農民の農薬中毒:イギリス#94-02
 イギリスで有機リン系の羊洗液による農民の農薬中毒が問題になっています。同国では羊の病気発生を防止するため羊洗液が年間920万ドル使用されており、農民たちは価格の安い有機リン系の薬剤を多く使用してきました。
 全国農民組合は、この8年間に529人の農民が羊洗液の使用後に深刻な健康障害を受けたと主張し、有機リン系羊洗液の禁止を政府に求めました。
 一方、政府は中毒は多くの場合、十分な保護衣が着用されなかったり、薬剤が適切に使用されなかったためであるとしていました。チバガイギーやバイエルらのメーカーは、蚤取り粉や蚊駆除剤のようなより大きな有機リン剤市場への波及を恐れ、農民の禁止要求に反対しました。
 昨年12月、 政府の家畜製品委員会は有機リン系洗液の禁止には科学的な正当性がないとしながらも、それらの毒性を調査する新たな医学パネルを設置するという結論をだし、農民の禁止要求を拒絶しました。消費者にとっても、羊皮、羊毛製品への有機リン剤残留が気になるところです。

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作成:1998-04-01