食品汚染・残留農薬にもどる
t04604#TPNやキャプタンほかの残留農薬分析に欠陥−早急に見直しを#96-02
てんとう虫情報45号で、残留農薬検査法に欠陥というNHKニュースを転載しましたが、その元になる資料を入手しました。日本食品分析センター多摩研究所の研究者たちが、日本食品衛生学会第70回学術講演会(?年)で行なった報告によると、以下にのべる6種の農薬を9種の農作物に1000ppb添加して、分析を実施したところ、分析試料調製時の磨砕処理により、本来なら検出されてあたりまえの農薬が消失して、分析にかからなかったり、実際より低い数値がでることがわかりました。このような分析方法の欠陥は以前から専門家の間でとりざたされていたことですが、今回の報告によりその実態の一部が明かになったわけです。
 表−略−には、問題となっている農薬の残留基準等を示しましたが、残留基準以下であるから大丈夫というのは、分析方法を信頼しての話であって、いいかげんな方法で分析を行ない、残留なしといわれては、たまったものでは、ありません。とくに、TPN、キャプタン、ダイホルタンは、動物実験で、発癌性が明かになっている農薬ですから、一層危惧の念を強くします。
 厚生省には、残留農薬の公定分析方法の見直しを早急にやってもらう必要があります。
@TPN(クロロタロニル)
 カボチャ、レタスで磨砕直後30〜50%が消失、60分後に60〜90%消失
 キャベツで磨砕直後に完全消失
Aキャプタン及びダイホルタン(カプタホル)
 キュウリ、トマト、バレイショ、レタス、ブドウ、リンゴ、夏ミカンで、磨砕直後に
30〜90%消失、60分後に50〜100%消失
 キャベツ、カボチャで磨砕直後に完全消失
Bジクロフルアニド及びトリフルアニド
 リンゴ、夏ミカンで、磨砕60分後に30〜40%消失
 キュウリ、トマト、バレイショ、レタスで磨砕直後に40〜80%消失、60分後に
60〜100%消失
 カボチャ、キャベツで、磨砕直後に完全消失
Cキノメチオネート
 カボチャ、キャベツ、レタスで磨砕60分後に40〜50%消失

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作成:1998-04-01