環境汚染にもどる
t05107#アメリカでの禁止・規制農薬の輸出状況#96-06
アメリカ国内で、禁止又は使用規制されている農薬の外国への輸出状況が、ロスアンジェルスに居を構える非営利機関FASEの手で明かにされました。これは、税関サービスに残されている輸出記録の解析によって得たもので、はっきりしない品名(たとえば、「megatox」、「killsall」、「econokill」など)と運輸省にある有害物質リストとの照合が大変だったようです。92年から94年の間に輸出された75万トンのほぼ4分の3の農薬が成分情報のないもので、内容が特定できたのは24%しかありませんでした。表−略−には1994年の農薬の輸出量を示します。
発癌性が問題になったくん蒸剤EDBや有機塩素系のクロルデン、ヘプタクロルがまだ、輸出されているとは、驚きです。アメリカでは、国内で禁止・規制の農薬を輸出することは、法律上で禁じられていません。輸出しようとする会社は、自発的にEPA(環境保護庁)に通知し、同庁は相手国に、アメリカ国内での規制状況等を事前に知らせることにはなっていますが、これが、守られているかどうかのチェックはEPAもできていないようです。
FASEは、問題となる農薬の多くは、発展途上国に輸出されており、特に、それらを使用する農民の健康への影響を懸念しています。さらに、EPAがもっと、輸出農薬について、正確な記録をとり、事前通告承認法にもとづき、厳しく監視するよう求めています。
表−略−には、日本における登録状況及び貿易量を記載してありますが、輸出農薬については、日本の農薬取締法では、法律自体が適用除外となっています。ただ、農水省は、日本で登録されていない農薬を輸出する際には、届け出るよう行政指導をしているようですが、実態は不明です。
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作成:1998-04-01