食品汚染・残留農薬にもどる
t05307#アメリカでデラニー条項撤廃への動き#96-08
 アメリカでは、発癌性物質は加工食品中に検出されてはならないとの法律(1958年に成立したデラニー条項)があり、この法律にもとづき、EPAは発癌性のある農薬の残留基準を撤廃(実質的に使用禁止)してきました。しかし、議会の委員会で民主党と共和党が合意に達したFIFRA(農薬に関する法律)の包括的改定案では、このデラニー条項が撤廃されることが決まりました。発癌性農薬については、いままでのゼロリスクの立場を変更し、100万人にひとりの発癌率のリスクを認めた上での残留基準の設定がEPAに求められることになります。改定案では、ほかに、農薬の残留基準を経済面及び栄養面の利益を考慮して、10倍程度緩和することを認める。ただし、子供の場合には、ADI算出の際の安全係数を大人の場合より10倍厳しくする。州レベルの残留基準を連邦政府の基準より厳しいものとしないことなどがおりこまれており、全体として改悪の方向に向かっています。
 環境保護団体は、デラニー条項の撤廃には異議をとなえていますが、大統領が改定案に賛意を示しており、法案が実施されることは、ほぼ確実な情勢です。

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作成:1998-04-01