農薬の毒性・健康被害にもどる
t05503#農薬臭化メチルの不良製品、販売禁止措置に!#96-10
 前号で、オゾン層破壊ガスであるにもかかわらず、くん蒸剤として多く使われている臭化メチルの不良製品によって死亡事故が起こったことを報告しました。 農水省によると、不良品は日宝化学株式会社が平成6年4月から平成7年11月までに製造した土壌くん蒸剤の「ニチヒューム」という500グラム入りの缶です。
 農水省は事故発生後1ヶ月以上たった9月30日に、ようやくニチヒューム缶の販売を禁止し、以下のような公告を出しました。
<臭化メチル剤「ニチヒューム」の販売の禁しについての公告>
 農薬取締法(昭和23年法律第82号)第14条第2項の規定に基づき、日宝化学株式会社(本社:東京都中央区日本橋室町3-3-3)が、製造販売している臭化メチルくん蒸剤 ニチヒューム(農林水産省登録第10974号 容器ブリキ缶)を検査した結果、その一部から容器の不良を原因とする臭化メチルの漏出があり、人畜に害があると認められるので、同項の規定に基づき、平成6年4月から平成7年11月までの間に製造された当該農薬について、平成8年9月30日をもって販売を禁止した。
     平成8年9月30日
     農林水産大臣 大原一三

 以上の内容ですが、農水省が出した記者発表資料によると、監督処分に至るまでの経過として
 @日宝化学株式会社が製造した臭化メチルくん蒸剤の一部に、劇物である臭化メチルが漏出する欠陥容器が発見された。また、本年8月にこの欠陥容器から漏出した臭化メチルに起因すると見られる死亡事故が大阪府八尾市において発生した。
 A農林水産省としては、8月28日のメーカーからの報告を受けて、8月30日に直ちに同社千町工場への立ち入り検査を行い、当該農薬の全ての製品を回収させるとともに、安全性の確保が図られるまでの間は、製造・出荷を停止するよう指導したところである。
 Bその後、9月17日、27日及び28日に同工場への立ち入り検査を行い、回収品及び在庫品について臭化メチルの漏出の有無等を詳細に検査したところ、同社が平成6年4月から平成7年11月までに製造した当該農薬の中に容器が不良なものを多数発見したところである。
 Cこのため、当該農薬に起因して人畜に害が生ずることが認められることから、本日、農薬取締法第14条第2項の規定に基づく監督処分を行うものである。
 と、なっています。これだけでは不明な点が多いため、反農薬東京グループではメーカーに質問状を出すことにしました。

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作成:1998-04-01