農薬の毒性・健康被害にもどる
t05904#カエルの奇形で農薬メトプレン原因説#97-01
 アメリカのミネソタ州にある87郡のうち56で、カエルの重い奇形(足がなかったり、多足であったりする。眼や肋骨の奇形もみられる)が報告されています。今年の春の調査では、10ー95%の比率でこのような奇形がみられる場所もあったとのことです。農薬汚染のない池では奇形の発生が1〜2%しかないため、農薬原因説が浮上してきました。
 具体的にはメトプレンという昆虫幼若ホルモン剤の名があがっています。これは、いわゆる第四世代農薬といわれる昆虫成育制御剤(IGR)の一種で、蚊の発生をおさえたり、犬猫のノミ発生防止にも使われるそうで、いままで哺乳類には安全だといわれてきました。しかし、メトプレンと類似構造であるレチノイック酸(ビタミン Aの酸化物)が、カエルの肋骨奇形をおこすことが知られているため、疑惑をもたれているのです。メトプレンのメーカーであるサンドス・アグロ社の毒性研究者は、アフリカ種のカエル(アメリカ種とそのDNAが30%異なる)を用いた実験では、何の問題もなかったといっています。
 日本では、メトプレンは農薬としては登録されていませんが、日本医薬品集(一般薬編)の公衆衛生用薬の中に「アルトシッド10F」という商品名(アース・バイオケミカル製)で、カ及びハエの幼虫駆除用の薬剤として記載されています。このカエルミステリーは、日本やカナダでもおこっているということですから、その原因は何なのか、科学的な調査をしてもらいたいものです。

購読希望の方は、〒番号/住所/氏名/電話番号/○月発行○号からと購読希望とかいて、 注文メールをください。
年間購読会費3000円は、最初のてんとう虫情報に同封された振替用紙でお支払いください。
作成:1998-04-01