農薬の毒性・健康被害にもどる
t05906#農薬クロルピリホスで先天異常発生の報告#97-01
 昨年11月、ニューヨークで開かれたアメリカ公衆衛生学会で、シロアリ駆除剤や農薬として広く使われている有機リン剤クロルピリホスと人の先天異常(頭、顔、眼、生殖器など)の関係が報告され、研究者はEPA(環境保護庁)に対して使用規制と製品に先天異常の恐れがあるとの表示をすることを求めました。
 同剤に関しては、慢性的な頭痛、嘔吐、呼吸異常、視覚異常、神経筋痛、多発性化学物質過敏症などの症例が報告されています。また、1984年から90年の間にアメリカでの農薬110番に苦情のもっとも多かったのはクロルピリホスの158件であったことも明かになりました。EPAは91年から毒性の再評価を始めていますが、結果の公表は遅れています。
 環境保護団体は、クロルピリホスの使用を減らすようキャンペーン運動を始めました。一方、メーカーのダウエランコ社は、この使用規制の要求は、過去30年にわたるクロルピリホスの使用と膨大な実験データを全く無視する根拠のない主張であると反論しています。
 反農薬東京グループにも、シロアリ駆除剤として用いられたクロルピリホスによる有機リン中毒の訴えが各地から寄せられていますし、同剤の室内大気汚染の実態も明かになって、いるだけに、アメリカでの報告が気懸りです。

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作成:1998-04-01