行政・業界の動きにもどる
t08102#本末転倒の農薬工業会の言い分#98-09
 農薬工業会は、98年5月21日に環境ホルモン問題についての見解を発表しました。その中で、@農薬取締法に基づく慢性毒性・発ガン性試験で、内分泌系・神経系・免疫系への影響の検査が、繁殖試験・催奇形性試験で、妊娠率・出生生存率・性比・奇形の有無等が含まれている。A人が食物や水を通じて摂取する量はADIの5%以下で、多くは1%以下になっている。B環境中の農薬の残留量は極めて僅かであり、また一過性のものである。とした上、今直ちに問題となる状況にはないが、今後の内分泌撹乱物質の研究のなかで、農薬について対応を要する場合には、必要な対策を講じていくと述べています。
 また、同工業会は、環境庁が内分泌撹乱物質リストに、一部登録農薬を挙げたことに対し、農薬業界の名誉を著しく損なうとともに、公正な営業活動を不当に妨げるものである。として、6月4日、7月16日の二度にわたり環境庁に要望書を提出しています。
 @同庁リストから登録農薬を削除してほしい、A削除されない場合は、その根拠となる文献あるいは報告例を早急に提示してほしい、Bリスト掲載の化学物質については、その文献や報告例に基づき、作用の強弱ないしは根拠の確度に従って分類してほしい。というのが、要望の趣旨ですが、自らが製造する農薬が労働者や散布農民の健康にどんな影響をあたえているか、ろくに調べもしない上、根拠となる文献を示せとは、よくいえたものです。
 さらに、農水省に対しては、@環境庁へ正式に抗議してほしい。A地方公共団体に対して、環境ホルモン問題に対する冷静な対応を図るよう、的確な指導を早急に実施してほしいとの要請も行なっていますから、あきれ果てます。  通産省や環境庁の内分泌撹乱物質リストで名指しされたフタル酸エステル、スチレン類、ビスフェノールAについては、これらを製造する業界が文献調査結果や新な内分泌撹乱作用に関する毒性試験データを厚生省の審議会に提出して、まがりなりにも、公開の場で論議しようとする姿勢をみせています。
 農薬業界も、内分泌撹乱物質問題を論議したいならば、まず、登録時に提出した毒性データを公開し、自らの手で関連文献を調査し、その結果を公表するのが、筋ではないでしょうか。
 そもそも、内分泌撹乱物質の毒作用の問題点は、微量でも作用する。作用時期によっては、不可逆的な影響をあたえる。用量-反応関係が単調でなく、閾値がない、など従来の毒性試験では、評価できないということにあるのですから、通り一編の毒性評価では、見落とされる可能性が大です。公開の場で、毒性データを再評価することがぜひとも必要です。
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作成:1998-10-28