農薬の毒性・健康被害にもどる
t08204#デンマークで除草剤ラウンドアップの毒性が問題に#98-10
アメリカのモンサント社が開発した除草剤ラウンドアップ(グリホサート)の毒性が、デンマークで問題になっています。イタリアの国立ガン研究所が、ラウンドアップ自体ではなく、その製剤中に含まれる「未知の物質」がマウスの遺伝子に損傷を与えるという報告をだしたためです。この物質が何かは不明ですが、モンサントはイタリアの研究は間違いだと主張しているようです。
デンマークでは、ラウンドアップ使用方法が、収穫10〜14日前以内に使用してはならないとする隣国スウエ−デンの規制より緩いことに疑問の声がではじめています(注:かつて、除草剤パラコートが、稲の乾燥促進を目的に収穫前の穂に散布されたように、ラウンドアップを乾燥剤として散布する適用方法があるのかもしれません)。
製パン業者の中には、収穫間近にラウンドアップを使用した小麦から製粉した粉を使わないとするものも出てきています。
日本の救急医が、ラウンドアップの人に対する急性中毒の病態に、グリホサートそのものだけでなく、製剤に15%添加されている非イオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアミン(POEA)が関与している可能性を示唆していますが(急性毒性の指標であるLD50値からみると、POEAの方がグリホサートの3倍以上毒性が強い)、問題視される「未知の物質」が何かの情報が待たれます。ラウンドアップ耐性の大豆などの遺伝子組換え作物が、日本でも出回りだしただけに、今後のなりゆきに注意を払ってゆきましょう。

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作成:1998-11-30